メキシコシティ南西部のサンタフェにある大学に通っていた当時、学校の行き帰りに毎日利用していたペセロ(乗り合いバス)でいつも感心させられたのが、25分強の道のりの間にあるどんな小さな教会も見落とさず、メキシコ人が十字を切っていたこと。最初は、すごい勢いで通り過ぎるペセロからでは私の目には教会が見えなかったので、ペセロがよっぽど怖い乗り物なのかとちょっと恐ろしくなったりしました。(飛行機の中で十字を切る人っているじゃないですか。)
メキシコ人の多くは、カトリック教徒で、しかもとても信仰心が篤いのです。他の場所でバスに乗ってもやはり教会の前では十字を切る乗客が少なからずいますし、タクシーなどのクルマはルームミラーに必ずといっていいほどロサリオがつり下げられていたり、マリア様の絵やペンダントなどが飾ってあります。教会にいけば、平日の昼間でもお祈りを捧げている人たちがいて、皆一心に頭を垂れているのを目にします。