Archivo #007
結成以来毎年1作品、1時間半ほどのショウを制作、ブエノスアイレスの大きな劇場で長期上演している。さらに中南米諸国でもよく公演を行い(最も人気があるのはメキシコ)、LPも8枚を制作(うち7枚がCD化されている)、ライヴ映像にはビデオ化されたものもあり、まだアルゼンチン映画の名作ですらろくに出ていないのに、レ・リュチエのショウは4枚もDVD化されているのである!(しかもDVD化にあたってスペイン語、英語、ポルトガル語、フランス語、イタリア語の字幕をつけることが可能になった)。 上に挙げたのはその中で最新のものとなる1999年のショウ「歌とユーモアをつなぐ男たち」のDVD。少し長くなるがこの中から私の好きな(というか私でも理解可能な)「彼女を許してやれ」(Perdonala)というボレロをご紹介しよう。 現在のメンバーは少し減って5人。グループ1のボケ役ダニエル・ラビノビッチが歌い、友人のトリオが伴奏とコーラスを受け持つ。曲の解説を終えたムンドストックはすでに笑いを取り終わり、そこにはいない。典型的なボレロのパロディ。歌詞はこんな調子だ。 (ソロ) エステルとは暮らしたくない/彼女は許されないことをしたのだ/行かせてやれ、私は傷つきたくない/忘れることが出来ないほどひどかったんだ (コーラス隊)許してやれよ、素直でいい女だったじゃないか、きっとまだ君のことを愛しているよ <ここでコーラス隊、一瞬止まって顔を見合わせ、そしておもむろに> (コーラス隊)許してやれよ、それでもさ/あのハチミツのようなキスが戻ってくるよ/一生君に忠実なはずだよ (ソロ)エステルとは暮らしたくない/二人の生活は胆汁のように苦かった(注:胆汁 hielとハチミツ mielを掛けている)/夕方出ていこうとした時に「あたしはあんたに忠実だったことなんか一度もなかった」と言いやがった <コーラス隊凍り付く。でもやっとの思いで> (コーラス隊)わかってやれよ、落ち着いてさ/昨日までは20人男がいたかも知れないけど...心の底では優しい女性のはずさ (ソロ)エステルとは暮らしたくない/もう許せないんだ/夕方出ていこうとする前に、俺をナタで追い回したんだぜ (コーラス隊)大目に見てやれよ、まだ子供なんだから/でもやっぱり何日か会わない方がいいかもね/いいカップルってのは喧嘩するもんさ/まあたいていの女性はナタをもって追っかけるもんだよ <血相を変え力強く>(コーラス隊)彼女のことは忘れちまえ、忘れなきゃだめだ/あの魔女からやっとおまえは解放されるのだ!/でも忘れる前に、どうしても許せなかったことが何か教えてくれるかい? (ソロ)最後にしたことはすごかった/これは絶対に許しがたい/夕方出ていこうとした時に...行くのをやめて家に残ることを決めたんだ! 訳では面白み半減だが、映像を見ればかなりおかしい。つい見逃してしまうが、何の楽器でも全員がものすごくうまい。この5人衆、ただのおとぼけではないのだ。 |
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