一期一会 ソチミルコ編

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色とりどりの船。
大きさもいろいろあって、人数によって変えているみたいでした。

  現在メキシコシティがある場所は、かつて湖だったという話は有名ですよね。その名残とも言うべき場所が今回ご紹介するソチミルコ。現在は観光地として非常に有名で、“VIVA MEXICO”などと書かれたど派手な船に乗って飲んだり食べたり・・・日本にもよく似たものがありますよね?ソチミルコには現在も船を使って生活している人たちがいて、すべての移動を船を用いて行なっています。水路を横断しなければ、学校にも買い物にも仕事にも行けないのですから、仕方ありません。ど派手な船に身を置いて辺りを見ていると、彼らの生活をちょっとだけ垣間見ることができます。私たちが船に乗込んだ岸とは逆側の木立の生い茂る岸には家があったり、子供たちがサッカーをしていたり、船に乗って買い物に行く家族がいたり・・・。なんだかほほえましい眺めでした。

 その一方で、水路の上では過激な客の取り合い合戦が繰り広げられています。船に乗るのは観光客や家族連れ、友達同士などで、船の中も誕生パーティだったり、ただまったりしているだけだったりといろいろです。そんな船をめがけて、これまたいろいろな船が寄ってくるのです。マリアッチの楽団だったり、船上レストランだったり、花屋さんや民芸品やさんも来ます。これはと思う船にはぴったりとくっついてなかなか離れてくれなかったりもしました。まさに、一期一会の宝庫といえばそうなのですが・・・。

 ソチミルコには2度行ったのですが、2度目の時には食事をし、マリンバの演奏を聴いて1時間程度の時間を過ごしました。なんだかとっても贅沢な気分でした。ちなみに、これは運もあるのでしょうが、初めて乗ったときは船頭さんがわりと年配の方で、ソチミルコの歴史や特色などを話してくださって(あまり理解はできなかったのですが・・・)、しかも少しだけ船を動かさせてくれたんです。なかなか技術のいる仕事らしく、やらせてもらっていた男の子はかなり苦戦しながら船を動かしていました。


「お嬢ちゃん、これどうだい。いい仕事してるだろっ!安くするよ〜。」

 これは余談なのですが、メキシコシティが湖を埋め立てて作られた都市であるがゆえに、現在地盤の沈下が懸念されています。これに関してはいろいろなところでさまざまな研究がなされているのでしょうが、ちょっと気がかりな問題です。その昔、メキシコシティといえば空気が汚いことで有名でしたが、これは少しずつ改善されていると聞きました。私の場合、田舎生まれの田舎育ちのため、メキシコシティに行く時は車の交通量の少ない週末を狙って行きます。それでもそのたびに鼻とのどが痛くなり、目もしょぼしょぼとしてしまうのですが、現代建築とヨーロッパ建築の入り混じった街並み、博物館等の充実度はさすが大都市!という貫禄があり、遊びに行くには魅力的な場所です。耳寄り情報をお持ちの方!ぜひご一報を!


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