民芸・工芸を楽しむ

■　民　芸　・　工　芸　を　楽　し　む　■

メキシコは民芸品の宝庫。
オアハカ州に位置するサンバルトロ・コヨテペックの黒土を使った陶器や
プエブラ州のタラベラ焼き(陶器)、オアハカ州、チアパス州の織物、
タスコ(ゲレロ州)の銀細工、パツクァロ(ミチョアカン州)の漆器など、
多彩な伝統工芸も魅力。

　観光客用に大量生産されているものは作りが雑な場合が多く、全体的に安っぽさが漂うが、それもまた愛嬌。(実際、すごく安かったりする。)コミカルなガイコツの人形や、テキーラのミニチュアボトルに絡み付く、粘土製の酔っ払いおじさんなど、ウケ狙いの小物にも事欠かない。

　その一方で、手の込んだ繊細な作品もたくさん売られているので、じっくり探して欲しい。

【民芸品を買いたいなら】

　観光地に土産物屋はつきものだが、メキシコでは大規模な民芸品市場も多い。遺跡や広場にはたいてい物売りが出没し、その商品価値を必死でアピールしている。ここでは、地域をメキシコシティに限定し、数ある中でも、我々が特にオススメするスポットを取り上げたい。

BAZAR DE SABADO(バザール・デ・サバド)

　San Angel(サン・アンヘル)地区にある石造りのコロニアルな建物内で、毎週土曜日のみバザールが開かれる。広い中庭を四角く取り囲むように、通路を含め、1階から2階まで小規模店が肩を並べている。民芸品に限らず、装飾品、オブジェ、衣服、雑貨など、ここでしか買えない１点ものも多い。品質はお墨付きだが、値段は高めに設定されている。敷地内唯一のレストラン(もちろんメキシコ料理)では単品メニューのほかに、バイキング料理も楽しめる。トルティージャ作りを実演で行うなど、観光客へのサービスは満点。天気がよければ中庭での食事も可能。

　建物前のサン・ハシント広場では、絵画や写真、オブジェなどがずらりと立て掛けられ、アーティスト本人が即売を行っている。周辺には、ギャラリー、雑貨屋、家具屋、レストラン、カフェなどが建ち並び、テントの連なる民芸市場もある。石畳の路上では、インディヘナ(原住民)の人々が、手作りの敷物や人形、ビーズで作ったアクセサリーなどを売っている。アイスクリーム売りやお菓子売りの姿も見られる。他の民芸品市場とは雰囲気も品物も異なるので、土曜日にメキシコシティに滞在する場合は、是非訪れて欲しい。

PLAZA　COYOACAN(コヨアカン広場)周辺

コヨアカン地区にあるこの一帯は、メキシコシティ在住の人々にとって憩いの場のひとつ。週末になると、家族連れやカップルが大勢訪れる。カテドラル(カトリックの大聖堂)前の広場では、手作りのアクセサリーや雑貨が売られ、ヒッピー系の若者やアーティストの卵も多数出店している。アイスクリームやスナックを食べながら、ストリートミュージシャンやパントマイムを眺めるのも楽しい。屋台や綿アメ売りなど、庶民的な店が並ぶ一方で、オープンスタイルのお洒落なレストラン、カフェも目につく。国内大手デパート｢Sanbornﾕs｣(サンボンズ)や本＆CDショップ｢gandi｣(ガンディー)、行列の出来るシャーベット屋｢Siberia｣(シベリア)など有名店も隣接している。

FONART(フォナート)

　メキシコ・シティのMIXCOAC(ミスコアック　※地下鉄の最寄駅名も同じ)にある政府直営の民芸品店。国営だけあって、メキシコ全土から質の高い民芸・工芸品が集められている。当然値段は高いが、訪れる価値あり。大通りを挟んで大型スーパー｢COMERCIAL　MEXICANA｣(コメルシアル・メヒカーナ)がある。

MERCADO DE LA CIUDADERA(シウダデラ市場)

　メキシコシティのBALDERAS(バルデラス　※地下鉄の最寄駅名も同じ)にあるシウダデーラ広場の一角に常設されている。広い敷地内に店がひしめき、アクセサリーや小物から衣類・織物まで、扱っている品数は実に豊富。価格も安い。銀細工の店では一般的にクレジットカードが使えるが、その他の店では難しい。ここでは値引き交渉が可能で、当然ながら現金のほうがまけてもらえる。

MERCADO DE LAGUNILLA(ラ・グニージャ市場)

主に日用雑貨や食料品を扱う市場だが、民族衣裳も多種扱っている。観光客向けではないので、常に現地の人々でごった返している。治安はあまりよくないので、人目につくところでお札をちらつかせたりしない方がいい。スリにもご用心。庶民の日常を垣間みたい人は訪れてみるといいだろう。

MERCADO INSURGENTES(インスルヘンテス市場)

メキシコシティの高級繁華街として名高いZona Rosa(ソナ・ロサ)地区の一角にある。主にアクセサリーや銀細工が中心。多くの店がクレジットカードを受けつけている。値引き交渉も可能。銀のアクセサリーは、重さで値段を決めているようだ。他と比べて市場の規模は小さいが、ソナ・ロサ地区はレストランやブティック、ギャラリーが多数出店しているので、トータルで楽しみたい。尚、日本大使館や日系の旅行代理店、日本食レストランもこの周辺にかたまっている。