■ ス ポ ー ツ を 楽 し む ■
【 サ ッ カ ー 】

 メキシコは世界でもトップ20に入る実力を備えている。ワールドカップにも11回出場。ただし、海外で活躍する選手が少ないので、サッカー大国としての注目度はまだまだ低い。第9回(1970年)、第13回大会(1986年)では開催国も務めた。
国民的スポーツだけあって、国内プロリーグの人気は高い。通常、トーナメントは夏季と冬季の年2回。1部リーグ(全18チーム)の場合、4グループに別れて試合を行う。最初のサッカーチームは1900年、鉱山に働きに来ていた英国人技師たちによって結成された。メキシコ選抜チームで長年活躍するアカプルコ出身の名キーパー、ホルへ・カンポスは国民的スター。163センチと小柄ながら、躍動感あふれる守りで多くのファンを熱狂させる。彼が出演したナイキのCMは日本でもオンエア―され、NHKのサッカー教室番組にも出演したことがある。


【 野 球 】

 サッカーには及ばないものの、北部を中心に人気が定着している。プロ球団は全16チーム。今年(2001年)、西武ライオンズにストッパー候補として入団したミゲル・デルトロ投手はメキシコ北部、ソノラ州の出身。


【 ルチャ・リブレ(プロレス) 】

 メキシコはプロレス天国。その歴史は65年以上と長く、主に貧困層に属する庶民の娯楽として発展を遂げてきた。日本でもマニアックなファンがついている。

 善玉と悪役の役割がはっきりしているため試合の流れが分かりやすく、エンターテイメント色が濃い。覆面レスラーが圧倒的に多く、マスクを賭けた死闘がよく行われている。カラフルなマスク、人気レスラーのフィギアなどプロレス・グッズも豊富。熱狂する観客の声援や罵倒も見所のひとつと言えよう。

 その人気度の割にはレスラーのギャラは低く、プロレス一本で生計を立てている人は少ない。そのほとんどはタクシー運転手や歯医者、はては神父といった兼業レスラーである。そのせいか小柄な人が多く、鍛えぬかれた肉体と言うものはあまりお目にかかれない。

 愛知県出身の日本人レスラー、ウルティモ・ドラゴンは1987年にメキシコに渡り、20才でプロデビュー。選手として活躍する一方で、メキシコシティのナウカルパンに「闘龍門」というプロレスラー養成学校を設立。現在は日本にもオフィスを構えている。修了生を中心に、メキシコ、日本両国で定期的に試合も行っている

「闘龍門」公式HP:http://www.gaora.co.jp/dragon/index.html


【 闘 牛 】

 もとスペインの植民地だったこともあり、上流階級層を中心に闘牛文化が深く根づいている。有名なのはメキシコシティにある「プラサ・デ・トロ」。収容数のべ6万人を誇る世界的規模の闘牛場だ。シーズン期間中(3月〜12月)は、毎週日曜日の午後4時から試合が行われ、スペインの人気闘牛士がかけつけることもある。アメリカとの国境の町、ティファナやリゾート地として名高いカンクン(ユカタン半島)でも観戦できる。(こちらも期間限定)


【 ボ ク シ ン グ 】

メキシコは世界レベルのボクサーを無数に輩出している。絶えず世界ランキング上位に名を連ね、元世界王者も多い。ボクシングは重量別に全部で17階級が設けられているが、メキシコ人は一般的に小柄なので、軽量クラスに所属する選手が圧倒的に多い。

 元WBC世界チャンピオン、フリオ・セサル・チャべスは国民的英雄。AP通信が5人のボクシング専門家に選ばせた『二十世紀の偉大なボクサー』のライト級部門では、第8位にランキングされた。シナロア州の州都クリアカン出身。