メキシコっていったいどんな国?という方のために、
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経 済 情 報

概 略 ブラジルに次いで中南米第二の経済大国であるメキシコの経済は、資本主義と社会主義の性質を併せ持つ混合経済体制(Economia Mixta)と呼ばれてきました。

19世紀末は積極的な外資導入政策がとられた時期もあり、アメリカ・イギリス・ドイツ・フランスといった列強の資本で石油部門や鉱業部門が発展しました。しかし1917年の革命憲法で経済・社会改革の担い手としての役割が国家に賦されてからは、ナショナリズムの台頭するなか外資の接収が行われ、工業化を中心とした経済開発において国家が大きな役割を果たしてきました。

1940年代から輸入代替工業化戦略が採られ、1970年代までの約30年間は、物価の安定をともなう高度成長を実現します。政府が国内産業の保護・育成を主導し基幹産業やインフラ整備のために積極的に公共投資を行った結果でした。一方で階層間・地域間の貧富の格差は拡大していきました。

やがて、財政赤字を対外債務で埋める開発モデルは破綻し、いわゆる「失われた80年代」を迎えます。1980年代は多大な「社会的コスト」(貧困の拡大や社会サービスの悪化)という痛みを伴うIMF・世銀主導の構造調整・安定化政策をとり、経済の立て直しを図りました。

1994年にはアメリカ・カナダと共に北米自由貿易協定を発効させますが、国内の社会・経済的矛盾が、協定発足と同日のサパティスタ民族解放軍の蜂起となって噴出。同年末には再び通貨危機に陥り、国内総生産は6パーセント以上のマイナス成長、インフレ率も再び52パーセントにまで上昇し、さらなる調整政策をとることになります。その後はブラジルやロシアの通貨危機に大きな影響を受けることもなく順調な経済パフォーマンスを維持しますが、2000年からの米国経済失速の影響を強く受け、経済は思うように回復しませんでした。

メキシコには失業保険制度がなく、一週間に一時間以上働けば失業者と見なされないため、完全失業率はあまり意味を持たないという状況があります。2000年の完全失業率は2.2パーセントとされていますが、極端に労働時間・賃金が低い「潜在失業率(不完全雇用)」で見ると、数値は20パーセント以上に跳ね上がるのです。

(2000年以降の経済状況については近日追記予定)