■■ OTOKITAのラテン音楽TOP10 ■■


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2001.06.25号

来週も首位キープとなるか、
ベニー

坂本龍一の曲も収録されたアルバム

解散秒読みとなったマグネト

アルバムに勢いが感じられるカオス

 まずはお詫びから:更新が遅れてゴメンナサイ…って誰も気づいていなかったりして!? ゴホン(笑)。“継続は力なり”を座右の銘に、気を取り直してまいりたいと思います。いつもの様に、メキシコの大手音楽ショップMixup(日本のHMVみたいな感じです)のアルバム売上チャートと、国内2大テレビ局のひとつ、TV AZTECAの音楽情報番組『TOP TEN』のシングルチャートをもとに、ラテン音楽動向をチェ・キ・ラ!(←某深夜番組のパクリです…)

 まずはアルバム・ランキング!

【ラテン・アルバムTop10】(Mixup売上げチャート:6/23時点)

1.Todo o Nada/Benny(ベニー/メキシコ)
2.Proxima Estacion Esperanza/Chao Manu
3.El Viaje de Copperpot/La Oreja de Van Gogh (ラ・オレハ・デ・ヴァンゴッホ/スペイン)
4.Azul/Cristian Castro(クリスチャン・カストロ/メキシコ)
5.Exitos/Moenia(モエニア/メキシコ)
6.El Mejor de Mis Amigos/Varios(複数アーティスト)
7.Querencias/Luis Eduardo Aute(ルイス・エドゥアルド・アウテ/スペイン)
8.La Musica de Los Dioses/Varios(複数アーティスト)
9.Mas de Mi Alma/Marco Antonio Solis(マルコ・アントニオ・ソリス/メキシコ)
10.Aventuras en el tiempo/Varios(アベントゥラス・エン・エル・ティエンポ/メキシコ)

 連載が始まって約2ヶ月。たった今、重大なことに気づきました! ランキングは、ふつう順位の下から上へと紹介していくものだと…。最後を第1位でどーん!と締めくくるのが常識ってもんですよね(苦笑)。つい、タッキー主演のドラマ『ストロベリー・オン・ザ・ショート・ケーキ』を思い出してしまいました。もしかして私、一番気になるモノ(=苺)には最初に手をつける性格だったのかしらん(笑)。そういえばこのドラマの主題歌はアバの「チキティータ」でしたけど、これってやはりスペイン語の“Chiquitita”(おチビちゃん)のこと? キューバ人なら、“Chiquitica”にしたでしょうね(笑) という訳で、今日は王道に従って進行してみたいと思います!

 同名人気ドラマのサウンド・トラック盤が、先週から4ポイントダウンの第10位。順位を大幅に落としたとはいえ、よく健闘しています。メキシコのドラマは、NHK大河ドラマなみの長編がほとんどなので、それがアルバムセールスにも反映しているといえるでしょう。

 第8位は複数アーティストの名曲を集めた企画盤で、“世界のサカモト”が手掛けた「Merry Christmas Mr.Lawren」を含む全33曲を収録。「神々の音楽」というアルバム名のとおり、ジャケットもスピリチュアルな仕上りです。第6位については、コンセプトや参加アーティスト等、現在調査中です。根が“怠けモノのアナログ派”なので、時間がかかると思いますが、それまでランクインをキープしてくれることを祈ります…(苦笑)。第4位のクリスチャンは先週と同順位。バーンと上位に食い込むかと予想していたので、少し以外です。シングルカット第一弾の「Azul」のリクエストが各地で殺到し、アルバムセールスも順調に伸ばしている模様。来る28日から全米8ヶ所での公演が始まります。余談ですが、昔の同僚“Azulちゃん”はかなり強烈なキャラクターでした(笑)。

 さて、私のイチオシである第2位のチャオ・マヌについては、長くなりそうなので次回取り上げることにして(笑)、“Mr.白シャツ”のベニーが3週連続で首位を獲得! 特にファンというワケではないのですが(笑)、私の中では“最も白シャツの似合うラテン男”なのです。そんな彼のティンビリチェ時代のソロ・ナンバーに、「Mama」というバラードがあります。再結成コンサートでも、生ギターを弾きながら客席に下りて歌ってくれました。「Mama hoy quiero decir“te amo”」と熱唱する伸びやかなサビの部分。直訳すると、「ママに今日伝えたいことがあるんだ。ダイスキだよ!」てな感じですが、題名どおり歌詞全体で母親への熱い想いを表現しておりマス。ご存知の方も多いでしょうが、聖母マリアを崇拝するキリスト教(カトリック)信者が9割近くを占めているメキシコ。母親への想いには並々ならぬものがあります。5月10日の「母の日」なんてもう大変。レストランは予約でいっぱい、自宅でもあちこちでお祝いの宴が開かれます。私なんて、日本にいる母親にカードはおろか電話すらしなかったので、居候先の家族に“薄情者”とさんざんお叱りを受けました(苦笑)。かつての親不孝を反省したところで、お次はシングル・ランキング〜!

【ラテン・シングルTop10】TV Azteca調べ:6/16-6/22

1.Molde perfecto/Moenia(モエニア/メキシコ)
2.Una y otra vez/X-Magneto(元マグネト/メキシコ)
3.Yo no soy esa mujer/Paulina Rubio (パウリナ・ルビオ/メキシコ)
4.Yo vivo por tu amor/Chayanne(チャヤン/プエルトリコ)
5.Pronto caeras/Magneto(マグネト/メキシコ)
6.Soy tu mal/Gloria Aura (グロリア・アウラ/メキシコ)
7.Falsas esperanzas/Christina Aguilera(クリスティーナ・アギレラ/プエルトリコ)
8.La vida gacha/Caos(カオス/メキシコ)
9.Uno/Benny(ベニー/メキシコ)
10.Dime corazon/Amaury Gutierrez(アマウリー・グティエレス/キューバ)

 第10位は先週に引き続き、アマウリ・グティエレス。メキシコ在住とのことなので、必ずや生の歌声を拝聴しに行きたいと思います。第9位のベニーは、アルバム部門で手堅く第1位をキープしました。ところで、私が注目しているメキシコのバンドは、みんな北部出身。第8位のカオスも例に漏れず、1993年にコアウイラ州にて結成されました。この曲は、効果的に挿入された管楽器がカッコイイ! ボリュームを大にして聴きたいですね。同名のアルバム全体に勢いが感じられ、思わずライブに足を運びたくなる仕上りだと思います。

 第6位のグロリア・アウラは、ビデオクリップを見る限り、仕草や歌い方が“コギャル”ならぬ“コタリア”(笑)。順調にいけば、彼女も将来はハリウッド進出!? 先日行なわれたOV7のコンサートではオープニング・アクトを演じました。この曲のストーリーはなかなか興味深いのでご紹介しますね。横暴で浮気性の彼氏と付き合っている女のコ。その言動に涙しながら耐えてきた彼女が、ある日突然、自我に目覚めます。彼女が絶叫(?)する決めゼリフは、“ahora mando yo”(アオラ・マンド・ヨ)。“もうアンタの指図は受けないわ!”といったニュアンスです。このフレーズ、今後必要になるかもしれませんので、女性の方は覚えておくと便利です!? お次は第2位のマグネト。“ミステリアスな情報通”Sさんが悩める子羊を救ってくれました。解散前に曲名がわかって嬉しいです。感謝! Cafe Mexicoオリジナル・グッズ完成のあかつきにはプレゼントさせていただきます(一体いつのことやら…)。

 最後を飾るのは…モエニア! 2週連続の第1位、オメデトウ。とはいえ、アルバム部門では早くもランク外…。リクエストはするが、アルバムは買わない!? メキシコの若者にとって、モエニアのクールな(?)打ち込み音は、まだ“斬新”の域を出ないのでしょうか? そういえば、共にテクノ・ポップを牽引してきた男女2人組、センティードス・オプエストスが解散を発表しました。モエニアの場合、声質のせいもありますが、基本的に抑揚が少なく淡々とした印象なのに対して、彼らの場合はところどころ高音がハジけていて、かなりポップな曲調。アイドル色も少なからず漂ってます(笑)。ボーカルのアレッサンドラは、ひと昔前の森高千里のような脚線美。キーボード担当のチャチョは、いわゆる“目で殺すタイプ”で、演奏中のカメラ目線がお得意です(笑)。解散アルバムは8月に発売らしいですが、このコーナーへのランクインは確実と思われます。

 いかかでしたか? 今週はこの辺でお別れです。また来週!


2001.06.18号

キューバの若手実力派・アマウリ・グティエレス

シングル部門第1位のモエニア、アルバム部門との2冠ならず

祝!ゴールドディスク、アルバム部門2週連続第1位のベニー

アルバム部門第初登場4位のクリスチャン、来週の順位に注目!

 みなさんこんにちは。梅雨入りしただけあって雨の日が続いていますが、憂鬱なこの時期はラテン音楽のリズムで乗り切りましょうね(笑)。

 という訳で、今週もメキシコの大手音楽ショップMixup(日本のHMVみたいな感じです)のアルバム売上チャートと、メキシコ2大テレビ局のひとつ、TV AZTECAの音楽情報番組『TOP TEN』のシングルチャートをもとにラテン音楽動向をチェ〜ック!

 まずはアルバム・ランキング!

【ラテン・アルバムTop10】(Mixup売上げチャート:6/16時点)

1.Todo o Nada/Benny(ベニー/メキシコ)
2.El Viaje de Copperpot/La Oreja de Van Gogh (ラ・オレハ・デ・ヴァンゴッホ/スペイン)
3.Exitos/Moenia(モエニア/メキシコ)
4.Entre Tangos y Mariachis/Rocio Durcal(ロシオ・ドゥルカル/スペイン)
5.Querencias/Luis Eduardo Aute(ルイス・エドゥアルド・アウテ/スペイン)
6. Aventuras en el tiempo/Varios(アベントゥラス・エン・エル・ティエンポ/メキシコ)
7. Paulina/Paulina Rubio (パウリナ・ルビオ/メキシコ)
8.La Historia/Ricky Martin (リッキー・マーティン/プエルト・リコ)
9. Mas de Mi Alma/Marco Antonio Solis(マルコ・アントニオ・ソリス/メキシコ)
10.Le Modulor/Moenia(モエニア/メキシコ)

 先週に引き続きベニーが第1位! 彼は先日、メキシコ・シティのハード・ロック・カフェでアコースティック・ライブを行いました。演奏前に、ティンビリチェ時代の仲間であるパウリナ・ルビオとサーシャがビデオで祝福のメッセージを送り、ベニーのアルバムが75,000枚のセールスを突破したことを発表。すると、同じく元ティンビリチェ出身のエリック・ルビンとアリックス・バウアーが登場し、ベニーに記念のゴールドディスクを直接手渡したそうです。なんてニクイ演出なんでしょ。思わず、再結成コンサートでの和気あいあいとした雰囲気を思い出してしまいました。家族や仲間、ファンに囲まれて大盛況に終ったベニーの新作お披露目ライブ。客席にはこのコーナーに度々登場した個性派アイドル集団・カバーや、ドラマで活躍しているアイドル・アナイら国内アーティストの姿も数多く見られたようです。

 さて、今週の注目は初登場第4位のクリスチャン・カストロ。『Lo Mejor de mi』(1997)というアルバムを発表した頃の短い黒髪の印象が強かったので、再び金髪になっていて驚きました。髪も伸びてますし。私も歳を取るはずですねー(笑)。5年以上も前ですが、私がメキシコでの生活を始めた頃、彼の歌がラジオでガンガン流れてました。母親は有名女優・ベロニカ・カストロで、父親も有名なコメディアン、ロコ・バルデス。なにかにつけ両親のことが話題になるので、大変だなぁと思っていたら…。ある時、テレビ番組で母親を前に“Lloran las Rosas“(直訳:バラが泣く)という曲を熱唱。この時、母・ベロニカは何ともいえない表情をしてました。いろんな想いが駆け巡っていたんでしょうかね。ちなみに彼女が数年前に主演した人気メロドラマのタイトルは「Rosa Salvaje」(直訳:野生のバラ)で、役名はRosa(バラ)。だから、この曲を選んだのね、なんてひとりで納得してましたが真相は藪の中…。

 近年の活動拠点にしていたマイアミを引き上げ、再びメキシコでの生活をスタートさせたクリスチャン。本アルバム発売直後のインタビューで、マリアッチやクンビアなどメキシコならではのジャンルでアルバムを出したいと語っていましたが、所属レコード会社(BMG)との契約でバラード中心のアルバムしか製作できないそう。私も彼のバラード(伸びのある高音!)は好きですけど、本人が新境地開拓に意欲的なだけに残念。

 お次はシングル・ランキング〜!

【ラテン・シングルTop10】TV Azteca調べ:6/9-6/15

1.Molde perfecto/Moenia(モエニア/メキシコ)
2.XMAGNETO(元マグネト/メキシコ)
3.Yo no soy esa mujer/Paulina Rubio (パウリナ・ルビオ/メキシコ)
4.Yo vivo por tu amor/Chayane(チャヤン/プエルトリコ)
5.Pronto caeras/Magneto(マグネト/メキシコ)
6.Soy tu mal/Gloria Aura (グロリア・アウラ/メキシコ)
7.Falsas Esperanzas/Christina Aguilera(クリスティーナ・アギレラ/プエルトリコ)
8.La Vida Gacha/Caos(カオス/)
9.Uno/Benny(ベニー/メキシコ)
10.Dime Corazon/Amaury Gutierrez(アマウリー・グティエレス/キューバ)

 先週第1位!のオレハ・デ・ヴァン・ゴッホが一気にランク外…。なんて強引な展開なんでしょう(笑)。さすがメキシコ!? 代わって首位に輝いたのはモエニアでした。第2位は元マグネトのみなさん。花道を飾って欲しいという私の願いが通じたのか、先週から4ポイント・アップを達成(笑)。首位まであと一歩と迫りました。ところで、彼らの曲のタイトルですが、どこにも明記されていないんですよ。テレビやラジオで「元マグネトが歌います。曲名は“元マグネト〜”」なんて紹介されてるんでしょうか…。気になるなぁ。ご存知の方いらっしゃいます? 現役マグネトも第5位と健闘中。ブレイクまではあと1歩といった感じですが、MDO(プエルトリコ)の勢いに追いつけるかなー。お姉さんとしては暖かく見守りたいと思います(笑)。

 第9位はベニーの最新アルバムからのシングルカット。作詞を担当したのは元ティンビリチェのアリックス。彼女は再結成コンサート時、妊娠中でした。何ヶ月だったかは忘れてしまいましたが、かなり大きなお腹でしたよ。第10位のアマウリー・グティエレスは今週初登場! 彼の風貌を見てマキシ・プリーストを思い出すのは私だけでしょうか…。この曲は心の叫びを歌った切ないバラード。プロデューサーはヒット曲の達人キケ・サンタンデール! 私的に彼はオススメです。

 今週はこれでお別れです。また来週〜!


2001.06.11号

ベニーとアイドル時代を共に過ごしたパウリナ

2度目の解散が近づくマグネト

アルバムが初登場第1位のベニー

作曲家としても人気の高いマルコA.ソリス

 このコーナーでは、メキシコの大手音楽ショップMixup(日本のHMVみたいな感じです)のアルバム売上チャートと、メキシコ2大テレビ局のひとつ、TV AZTECAの音楽情報番組『TOP TEN』のシングルチャートをもとに、ラテン音楽動向を毎週お届けしています。

 まずはアルバム・ランキング!

【ラテン・アルバムTop10】(Mixup売上げチャート:6/8時点)

1.Todo o Nada/Benny(ベニー/メキシコ)
2.Exitos/Moenia(モエニア/メキシコ)
3.El Viaje de Copperpot/La Oreja de Van Gogh (ラ・オレハ・デ・ヴァンゴッホ/スペイン)
4.Querencias/Luis Eduardo Aute(ルイス・エドゥアルド・アウテ/スペイン)
5.La Historia/Ricky Martin (リッキー・マーティン/プエルト・リコ)
6.Aventuras en el tiempo/Varios(アベントゥラス・エン・エル・ティエンポ/メキシコ)
7.Paulina/Paulina Rubio (パウリナ・ルビオ/メキシコ)
8.Entre Tangos y Mariachis/Rocio Durcal(ロシオ・ドゥルカル/スペイン)
9.Le Modulor/Moenia(モエニア/メキシコ)
10.Mas de Mi Alma/Marco Antonio Solis(マルコ・アントニオ・ソリス/メキシコ)

 モエニアの3週連続第1位を阻んだのは、ベニー。5年振りに発表したファン待望のニューアルバムとはいえ、初登場第1位はお見事です。もはや伝説化しつつあるアイドル・グループ“ティンビリチェ”時代からの根強いファンがいるので、来週以降も首位をキープする可能性は高いです。アイドルからの脱皮を果たした彼は、そのマルチな活躍で若手実力派のひとりに数えられています。髪を青く染めて観客を驚かせた“ティンビリチェ”再結成コンサートでは一部プロデュースも担当。最近ではSanta Sabinaという少々クセのあるロックバンド(女性ボーカル)のアルバム・プロデュースを手掛けました。芸能一家出身で、数年前に母親、弟と舞台で共演したことも。ちなみにひと昔前は長髪でしたが、短い方が好感持てます(笑)。私生活では、美人モデルとの間に3歳になる娘あり。

 第7位のパウリナはベニーの“ティンビリチェ”時代の仲間。小学生の時から共にステージに立っていたので、幼なじみといった感じでしょうか。今年で仲良く歌手生活20年を迎えました。

 もうひとりの初登場は、第10位にランクインしたマルコ・アントニオ・ソリス。デビューは1975年で、ロス・ブキスという人気バンドのメイン・ボーカルでした。楽曲の大半は彼の手によるもの。1996年にソロ・デビューしてからも、ルセロやエンリケ・イグレシアスをはじめ、大勢のアーティストに楽曲を提供しています。長髪にヒゲがトレードマークで、イエス・キリストを彷彿とさせる風貌。心安らぐメロディーと落ち着いた歌声が魅力的です。

 ところで、このコーナーを大いに(?)盛り上げてくれた個性派アイドル集団“カバー”がついにランク外。先週第7位だったので、もうしばらくは大丈夫かと推測していたのですが…。

お次はシングル・ランキング〜!

【ラテン・シングルTop10】TV Azteca調べ:6/2-6/8

1.Cuidate/La oreja de Van Gogh (ラ・オレハ・デ・ヴァン・ゴッホ/スペイン)
2.Soy tu mal/Gloria Aura (グロリア・アウラ/メキシコ)
3.Yo no soy esa mujer/Paulina Rubio (パウリナ・ルビオ/メキシコ)
4.Te necesito/Kabah (カバー/メキシコ)
5.Molde perfecto/Moenia(モエニア/メキシコ)
6.XMAGNETO(元マグネト/メキシコ)
7.Quisiera ser/Alejandro Sanz (アレハンドロ・サンス/スペイン)
8.Cupido/Martin Ricca (マルティン・リカ/アルゼンチン)
9.Pronto caeras/Magneto(マグネト/メキシコ)
10.Yo vivo por tu amor/Chayane(チャヤン/プエルトリコ)

 う〜む。本当なのでしょうか。先週と全く順位が変っていません…。今回で2回目なだけに、疑いは募るばかり(苦笑)。担当者がひと足早い休暇に出ていたりして!?

 というわけで、オレハ・デ・ヴァン・ゴッホが2週連続の第1位!オメデトウ。ちなみに曲名の“Cuidate”(クイダテ)は、“気をつけてね”とか“元気でね”という意味です。
第6位の元マグネトは5年振りの再結成でファンを沸かせていますが、あくまでも期間限定。じわじわと解散の日(7月)が近づいて来ました。彼ら曰く最初で最後の再結成なので、是非とも第1位の偉業を成し遂げて、花道を飾って欲しいものです。ちなみに、ソロとして活動を続けているのは2名のみ。残念ながら、まだブレイクには至っていません。残りの3人は別の道を歩んでいます。野球帽がトレードマークのエリアスは番組制作会社に勤務。長いアゴが印象的なマウリは、アイドル歌手Feyのマネージャーとして有名。彼女とは実生活でもよきパートナーです。最近はGiovanniというアーティストも担当しているとか。これといった特徴のない(?)アレックスは、芸能プロモーターとしてオフィスを構えています。

 最後に第10位のチャヤンですが、先日メキシコシティでコンサートを行いました。多忙につき、わずか1日の滞在でしたが、ファンにしっかり魅力を振りまいて飛び立ったようです。数ヶ月前からアルゼンチンで長編ドラマに出演しているため、最近は俳優業の方に比重が傾いていますが、撮影の合間をぬっては最新アルバムのPRに務めている働き者です。

 今週はこれでお別れです。また来週!


2001.06.04号

 このコーナーでは、メキシコの大手音楽ショップMixup(日本のHMVみたいな感じです)のアルバム売上チャートと、メキシコ2大テレビ局のひとつ、TV AZTECAの音楽情報番組『TOP TEN』のシングルチャートをもとに、ラテン音楽動向を毎週お届けしています。

アルバムが第2位の
ルイス・エドゥアルド・アウテ
シングル部門で初登場「第10位」のチャヤン
日本デビューなるか!?海外進出に意欲的なモエニア
女性ボーカルが光るオレハ・デ・ヴァン・ゴッホ

まずはアルバム・ランキング!

【ラテン・アルバムTop10】(Mixup売上げチャート:6/2時点)

1.Exitos/Moenia(モエニア/メキシコ)
2.Querencias/Luis Eduardo Aute(ルイス・エドゥアルド・アウテ/スペイン)
3.El Viaje de Copperpot/La Oreja de Van Gogh (ラ・オレハ・デ・ヴァンゴッホ/スペイン)
4.Aventuras en el tiempo/Varios(アベントゥラス・エン・エル・ティエンポ/メキシコ)
5.Entre Tangos y Mariachis/Rocio Durcal(ロシオ・ドゥルカル/スペイン)
6.La Historia/Ricky Martin (リッキー・マーティン/プエルト・リコ)
7.Duerme,Despierta,Ponle Play/Jumbo(ジャンボ/メキシコ)
8.Paulina/Paulina Rubio (パウリナ・ルビオ/メキシコ)
9.XNE(Bonustrack)/Kabah (カバー/メキシコ)
10.Le Modulor/Moenia(モエニア/メキシコ)

 メキシコのテクノ・ポップ3人組、モエニアのベストアルバムが2週連続で第1位。話題のニューアルバムも第10位に初登場です。こちらは来週以降、着実に順位を上げてくるハズ。第2位は1967年デビューの大ベテラン、ルイス・エドゥアルド・アウテ。先月末にメキシコ主要3都市(メキシコシティ、モンテレイ、グアダラハラ)でのコンサートを成功させたばかりです。本アルバムは過去の名曲をセルフカバーしたものですが、11月にはファン待望の新作を発表。歌手、画家、作家と多彩な顔を持つ彼は、同時期に初の長編アニメーション映画の公開も控えています。

 第3位のオレハ・デ・ヴァンゴッホは、大学在学中の1996年1月に結成された5人組バンド。当初は4人編成でしたが、まもなく紅一点のアマイアがボーカルとして加わりました。地元サン・セバスチャンの音楽コンクールで優勝した後、レコード会社Epic Sonyとの契約に成功。1998年に発表したデビュー・アルバム『Dile al sol』がスペイン国内だけで70万枚以上のセールスを記録し、音楽業界をアッと言わせました。今回もヒット街道まっしぐら。2枚目のジンクスを吹き飛ばし、100万枚に迫る勢いです。ただいま全国ツアー(80ヶ所以上)の真っ最中で、年末にはラテンアメリカを訪れる予定。

 最後に、先週第9位のエロエス・デル・シレンシオがついにランク外となりました。現在活動休止中ですが、1日も早くニューアルバムでのランクインを果たして欲しいものです。

 お次はシングル・ランキング〜!

【ラテン・シングルTop10】TV Azteca調べ:5/26-6/1

1.Cuidate/La oreja de Van Gogh (ラ・オレハ・デ・ヴァン・ゴッホ/スペイン)
2.Soy tu mal/Gloria Aura (グロリア・アウラ/メキシコ)
3.Yo no soy esa mujer/Paulina Rubio (パウリナ・ルビオ/メキシコ)
4.Te necesito/Kabah (カバー/メキシコ)
5.Molde perfecto/Moenia(モエニア/メキシコ)
6.XMAGNETO(元マグネト/メキシコ)
7.Quisiera ser/Alejandro Sanz (アレハンドロ・サンス/スペイン)
8.Cupido/Martin Ricca (マルティン・リカ/アルゼンチン)
9.Pronto caeras/Magneto(マグネト/メキシコ)
10.Yo vivo por tu amor/Chayane(チャヤン/プエルトリコ)

 何と!オレハ・デ・ヴァンゴッホがついに首位獲得!何事もあきらめずにコツコツと…が大切なのですね。第5位のモエニアは予想通りの大躍進。先週第10位から一気に順位を伸ばしました。レコード会社を移籍した彼らは海外進出に意欲的。アルバムが日本で発売される可能性は高いと睨んでます。わりと洗練されたテクノ・ポップなので、ある程度のファンは見込めるのでは?

 初登場第10位のチャヤンは知る人ぞ知る、ですね。バネッサ・ウィリアムスとの映画共演で知名度がアップ、日本盤CDも発売されてます。ダンスの上手さはダントツで、あのリッキー・マーティンも敵いません。カッコいいっス。ただ、彼を見ていると絶頂期のトシちゃんを思い出し、古き良き時代にまで想いを馳せたくなります(笑)。チャヤンは私がメキシコで勤めていたホテルの常連客で、スターなのに従業員食堂でサイン会を開いてくれた実に気さくなお方。ノリノリの曲もいいですが、甘〜いバラードこそ彼の真骨頂です。ちなみにこの曲のタイトルは“キミのために生きる”。くぅ〜っ、誰かに言われてみた〜い。さ、次に進みましょう(笑)。

 2組のマグネトがランクインしてますが、かつてリッキーが所属していたプエルトリコの男性アイドルグループ“メヌード”(現在の活動名はMDO)のように、メンバーを入れ替えながら続いています。プロレスラーみたいに“マグネト1号”とか“マグネトJr.”だと分かりやすいんですけどね(笑)。という訳で、第6位は“元”マグネトのみなさん。“X”というのは“元”の意味です。期間限定の再結成で、もう少年とは呼べないお年頃なのですが、先週アカプルコで行なわれたコンサートではかつてのヒット曲を熱唱。ファン感涙のステージだったとか。彼らの名曲“Vuela Vuela”(飛べ!飛べ!)はアイドル・ポップの王道で、私もよくカラオケで歌ってました(笑)。第9位は現役のマグネトさん。今週は先輩方に軍配が上がりましたが、次週はいかに?

 今回はここまで。サヨナラ、サヨナラ。