■社会/スポーツニュース■


2001.06.25号

話題の18禁映画が公開

 メキシコ都市部に暮らす現代の若者を描いた映画"Y tu mama tambien"(監督:アルフォンソ・クアロン)が前週公開され、週末に40万人の観客を動員するヒットとなっている。同作品は、主人公である若者2人と10歳年上のスペイン人女性との旅を綴ったドラマで、日本の映倫に相当するRTCの審査で「C指定(18歳未満鑑賞禁止)」された問題作。青少年のマリファナ常用シーン、同性愛を含むセックス描写、卑猥な言葉使い等がメキシコ社会の伝統的モラルと真っ向から対立する内容として、話題を呼んでいる。近年メキシコ映画はルネッサンスともいえる活況を呈しているが、1999年に記録的な興業成績を残した"Sex, Pudor y Lagrimas"、米国オスカー最優秀外国映画賞にノミネートされた"Amores Perros"なども「C指定」作品となっている。(Reuters, Mexico D.F, 06/18/2001)

大統領官邸の備品に400ドルのタオル

 大統領官邸が備品として1枚400ドル相当するタオルを公費で購入していることが判明し、フォックス大統領は世論の厳しい非難にさらされている。会計監査院がインターネットを通じ公表した公共物資調達品リストによると、フォックス大統領と長女クリスティーナが暮らす大統領官邸の改装にあわせた備品購入支出は総額40万ドルで、この中には問題となっている「特別な刺繍入り」高級タオル3枚の他に、リモートコントロール開閉式のカーテン(1万7,000ドル)、ベットシーツ4組(1万5,000ドル)などが含まれていた。(Reuters, Mexico D.F, 06/19/2001)

車両盗難犯罪の40%が、DFとメキシコ州で発生

 国家治安対策プログラムのメディーナ局長は19日、車両盗難犯罪の40%がメキシコシティ及びメキシコ州で発生し、被害金額は1日あたり300万ペソに達していることを明らかにした。盗難被害は、昨年1日平均440台で、今年これまでの平均は410台となっている。(Grupo Reforma, Mexico D.F, 06/19/2001)

同性愛者への差別問題でフォックス大統領、カトリック教会を批判−市民団体

 同性愛者への差別犯罪に反対する市民活動団体CCCOHは、1995-2000年に差別が原因で213人の同性愛者が殺害されたとの調査報告書を発表した。ベタンコート代表は、フォックス大統領及び政権の支持基盤である与党PAN、カトリック教会が同性愛者への憎悪を助長していると批判。大統領選挙期間中にPRIの対立候補ラバスティダ氏を"mariquita"(オカマちゃん)と侮辱したことなどを例に挙げた。市民団体の調査では、被害者のうち14-20歳の青少年は17人。その大半が家族や同級生に殺害されており、同性愛者に対する社会的偏見、排他的な保守的価値観は根深いと指摘している。(CNI en Linea, Mexico D.F, 06/21/2001)

カルロス・スリム氏、世界長者番付で第25位

 米国経済誌フォーブスが21日発表した「2001年世界長者番付」によると、10億ドル以上の資産を持つ長者(世界で538人)のうちメキシコ人は13人。トップは、Telmex(電話通信)などを所有するコングロマリッド企業、Carsoグループの創始者カルロス・スリム氏(61歳/レバノン系移民2世)で、世界ランク25位につけ、今年もラテンアメリカ最大の富豪となった。スリム氏の資産価値は、1996年61億ドルから2000年79億ドル、今年108億ドルと増加している。(Reuters, Mexico D.F, 06/22/2001)

●サッカー●

W杯予選:ホンジュラスに敗れ、メサ監督が辞任

 サッカーのメキシコ代表は20日、ホンジュラスとのW杯予選に1−3で惨敗した。適地ホンジュラスのサンペドロスーラ市で開催された試合でメキシコは決定的チャンスをつくれないまま、逆にホンジュラスのFWパ ボンにハットトリックを決められ、唯一の得点は終了間際にヴィクトル・ルイスが放ったフリーキックからの1点という最悪の内容で終わった。これでメキシコは、予選10試合中5試合を終え1勝3敗1分けの勝ち点4、6カ国中5位に低迷。本大会出場圏内3位のホンジュラスとの勝ち点差は4に広がった。全チームとの対戦が一巡し最終予選の前半が終わった現在の順位は、米国(勝ち点13)、コスタリカ(10)、ホンジュラス(8)、ジャマイカ(5)、メキシコ(4)、トリニダードトバゴ(1)となっている。
 コスタリカ戦に続くW杯予選連敗でエンリケ・メサ監督は試合後に引責辞任した。 メサ監督(2000年9月就任)が指揮をとった国際Aマッチ19試合の成績は、5勝11敗3分。コンフェデレーション杯を含む最後の6試合は6連敗した。

リベルタドーレス杯:クルス・アスルが決勝第1戦逃す

 サッカーの南米クラブ王者を決定するリベルタドーレス杯は20日、ホームアンドアウエー方式の決勝第1戦がメキシコシティで行われ、2年連続優勝を目指すボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)が地元メキシコのクルス・アスルを1−0で下し先勝した。第2戦は27日にブエノスアイレスで行われる予定。
 連敗が続く代表チームに幻滅したメキシコ国民は同国クラブ初のリベルタドーレス杯決勝進出に熱狂。12万人収容のアステカスタジアムは満席で、ダフ屋のチケット価格は2,000ペソまで跳ね上がった。

代表新監督にバビエル・アギレ氏

 ワールドカップ(W杯)北中米カリブ海予選で6カ国中5位と低迷している責任を取り20日に辞任したエンリケ・メサ監督の後任として、メキシコ・サッカー協会は21日、国内クラブチーム「パチューカ」を率いていたハビエル・アギレ氏(43歳)の代表監督就任を発表した。アギレ氏は、現役時代の80年代に、国内クラブチームのアメリカ、グアダラハラなどで活躍し、94年W杯米国大会で代表チームのコーチを務めた経歴を持つ。予選通過にもう負けが許されないメキシコは7月1日、首位で3連勝中の米国と対戦するが、負ければ自力での本大会出場権獲得は困難な状況となる。。

W杯予選:7月1日のvs米国戦メンバー発表

 メキシコ代表のハビエル・アギレ新監督は22日、来月1日メキシコシティで行われる米国代表とのW杯予選に向けメンバー22名を発表した。ベテランMFガルシア ・アスペ(プエブラ所属)が復帰した他、南米クラブ王者を決定するリベルタドーレス杯で決勝進出を果たしたクルス・アスルから6名のプレーヤーが選出されている。

〜代表メンバ(カッコ内は所属クラブ)〜

GK
オスカル・ペレス(クルス・アスル)、オスワルド・サンチェス(グアダラハラ)

DF
クラウディオ・スアレス(ティグレスUANL)、マヌエル・ビドリオ(パチュカ)、ラファエル・マルケス(モナコ:FRA)、オクタビオ・バルデス(アメリカ)、アルベルト・ロドリゲス(パチュカ)、セルヒオ・アルマゲル(ネカサ)
 
MF
トマス・カンポス(クルス・アスル)、ビクトル・グティエレス(クルス・アスル)、ヘラルド・トラド(テネリフェ:ESP)、アルベルト・ガルシア・アスペ(プエブラ)、セサレオ・ビクトリーノ(クルス・アスル)、フアン・パブロ・ロドリゲス(アトラス)、ホアン・ロドリゲス(サントス・ラグナ)、ホセ・アルベルト・エルナンデス(クルス・アスル)
 
FW
フランシスコ・パレンシア(クルス・アスル)、ハレ・ボルヘッティ(サントス・ラグナ)、ヘスス・アレリャーノ(モンテレイ)、ダニエル・オソルノ(アトラス)、ホアキン・レイェス(サントス・ラグナ)、ミゲル・ゼペダ(アトラス)

※FRA=フランス、ESP=スペイン


2001.06.18号

密入国ビジネス、収益は年間3億ドル規模

メキシコ国立自治大学(UNAM)のルイス・レサ教授の調査によると、米国への密入国を斡旋する組織(通称"Polleros=ポジェロス")の儲けは年間2.5億から3億ドルに達しており、麻薬密輸に次ぐビックビジネスとなっている。斡旋手数料は一人につき1,500ドル前後だが、国境超え途中の山中や砂漠に密入国者を置き去りにしていく悪質なケースが目立っており、昨年は300人が死亡した。(Reuters, Mexico D.F, 06/14/2001)

麻薬密輸組織フアレス・カルテル幹部"エル・メトロ"を逮捕

メキシコ検察当局は13日、北部フアレスに拠点を置く麻薬密輸組織フアレス・カルテルの最高幹部のひとり、アルシデス・ラモン・マガニャ(通称エル・メトロ)をタバスコ州で逮捕したと発表した。米国司法当局が99年に作成した報告書によると、マガーニャは先日逮捕されたビジャヌエバ元キンタナロー州知事の協力を得て、1994年から98年に200トン以上のコカインを米国に密輸したとされる。今回の逮捕で、米国は同容疑者の身柄引き渡しを求めている。(Reuters, Mexico D.F, 06/13/2001)

専用トンネルでコカインを密輸した男、米国へ身柄引き渡し

メキシコ検察当局は12日、メキシコでの刑期を終えたラファエル・カマレラ(別名マリアノ・ビジャガス)の身柄を米国に引き渡すと発表した。容疑者は麻薬密輸組織シナロア・カルテルの首領ホアキン"チャパ"グスマンの右腕で、国境を挟んだアグアスプリエタとダグラスの両市を結ぶトンネルを堀り、1トン以上のコカインを密輸したとされている。昨年12月にスタートしたフォックス政権下で、今回の身柄引き渡しは4人目。(Reuters, Mexico D.F, 06/12/2001)

マキラドーラ労働者に麻薬汚染広まる−北部都市マタモロス

長年、麻薬密輸の中継基地であったマタモロスが、今や麻薬の一大消費地と化している。麻薬密売人たちは、食べ物、衣類、雑貨、家具等の移動販売業者に扮し、マキラドーラ労働者に工場入口でコカインやクラック、マリファナを密売している。当地では、消費拡大に伴い麻薬の末端価格は労働者の手に届く範囲まで値下がりしており、相場はコカイン1グラム=100ペソ、クラック1錠=50ペソ、マリファナ4葉巻分=20ペソとなっている。(Notimex, Matamorros, Tamps. 06/17/2001)

サッカー:W杯予選、コスタリカに歴史的敗北

 メキシコ代表は16日、メキシコ市でコスタリカ代表と対戦。コスタリカがメキシコを2−1で破った。メキシコがホームのアステカ・スタジアムで敗戦するのは、W杯予選史上初めて。この試合の結果、メキシコは上位3カ国がW杯出場権を得る北中米カリブ海地区決勝リーグで5位に転落。本大会選出場に黄色信号が灯り始めた。
 試合はメキシコがアブンデスのヘディングシュートで前半6分に先制。しかし後半、2度のフリーキックからのゴールを決めたコスタリカ代表が逆転勝利した。この日のアステカ・スタジアム観客数は僅か4万人。"TRI"(代表の愛称)とサポーターの冷え切った関係を象徴するかのように、スタジアムの空席が目立った。
(Reuters, Mexico D.F, 06/16/2001)

サッカー:リベルタドーレス杯、クルス・アスルがメキシコ勢初の決勝進出へ

 代表の不振が続くなか、クラブチームレベルでメキシコにとって嬉しいニュースがとびこんできた。
 サッカーのクラブチーム南米一を争うリベルタドーレス杯で14日、「クルス・アスル」がメキシコ勢として初の決勝進出を決めた。もう一つの決勝進出チームであるボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)との対戦は20日、27日に行われる。 なお、本大会に招待出場のメキシコのチームには、クラブチーム世界一を決める「トヨタカップ」(東京)への出場権がないため、決勝の結果如何にかかわらずボカ・ジュニアーズが2年連続南米王者として欧州王者と対戦することとなる。
(Reuters, Mexico D.F,06/14/2001)


2001.06.11号

フォックス大統領の長女「今でも両親の再婚を望んでいる」

フォックス大統領の長女アナ・クリスティーナ・フォックス(21歳、大学生)は、自らが表紙を飾った月刊誌"Quien"(6月号)の中で、両親の離婚について言及。フォックス大統領の「独身問題」に関するインタビュアーの質問に対し、「両親の決断を尊重している」と前置きした上で、娘としては8年前に離婚した2人が再び一緒になることを今でも望んでいると語った。ただし、父親の再婚相手として噂されている、Martha Sahagun 大統領報道官(47歳 バツイチ、4人の子持ち)についてのコメントは避けた。フォックス大統領とリリアン・コンチャ元夫人との間には、アナ・クリスティーナを含む2女2男の養子がいる。(Reuters, Mexico D.F, 06/06/2001)

盗難車、メキシコから6,110キロ離れたハワイで発見!

メキシコ連邦検察は7日、ハワイの首都ホノルル税関当局が5月末、メキシコで盗難された乗用車4台を押収していたことを明らかにした。メキシコとハワイとの距離は実に6,110キロ。密輸ルートなど犯罪究明につながる手がかりはつかめていない。当局は、メキシコからの盗難車が他にもハワイで流通している可能性が高いとの見方を示している。メキシコ政府統計によると、同国内では1日平均124台が盗難の被害に遭っている。(Reuters, Mexico D.F, 07/06/2001)

在米メキシコ人の本国送金、第1四半期に前年比43%増

大統領府在外メキシコ人事務局の発表によると、今年第1・四半期の米国からメキシコへの送金は20億1,000万ドルで前年同期比43%増加した。米国からの送金が多い州はハリスコ、サカテカス、グアナファトなど。(El Universal, Mexico D.F, 05/06/2001)

バハ・カリフォルニア州の合法滞在外国人は1万1,500人

バハ・カリフォルニア州移民局によると、同州の合法滞在外国人の数は1万1,500人。最も多いコミュニティは海岸などリゾート地で引退生活を送る米国人。国境の街ティファナにはグアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルなどの中米出身者や中国人が多く暮らしている。米サンディエゴから毎日国境を越えマキラドーラの工場に通勤する労働者の数はおよそ4千人。(Notimex, Tijuana, B.C, 05/06/2001)

メキシコ版「カンビオ」創刊

コロンビアのノーベル賞作家ガルシア・マルケスが主宰する週刊誌「カンビオ」のメキシコ版第1号(116ページ、定価25ペソ)が10日、テレビサ出版との提携で創刊された。 (CNI en linea, Mexico D.F, 10/06/2001)

サッカー:コンフェデ杯惨敗のメキシコ代表にファンの非難ごうごう

5月30ー6月10日に韓国と日本で開催されたFIFAコンフェデレーション杯に前回覇者として参加したメキシコ代表は、豪州、韓国、フランスに全敗し一次リーグを敗退。直前の5月25日にイングランドと行った親善試合を含めると4戦連敗、失点12に対し得点わずか1という最悪の結果で終わった。4日に母国メキシコに帰国した代表を空港で待ちかまえていたのは「うすのろ!」「監督解任!」と罵声を浴びせる大勢のサポーターたち。エンリケ・メサ監督は、報道陣からの厳しい質問を避けるように警官にガードされ空港を脱出した。同監督は「W杯本戦には進出できる」と続投への意欲を示すとともに、6月16、20日に予定されているW杯予選コスタリカ、ホンジュラス戦には、今回の遠征に所属チームの都合で参加しなかった選手も招集すると述べた。同国サッカー協会は5日、コンフェデ杯惨敗の原因などについて事情聴取を行った上で、同監督の続投を決めた。(AP,etc., Mexico D.F, 04-05/06/2001)

サッカー:W杯予選、コスタリカ、ホンジュラス戦メンバー発表

メキシコサッカー協会は7日、6月中に開催されるW杯北中米カリブ海予選のコスタリカ戦(16日)、ホンジュラス戦(20日)に向け代表メンバー23人を発表。惨敗したコンフェデ杯メンバーから9人が入れ替わり、GKホルヘ・カンポス、FWルイス・エルナンデスなどベテラン勢が復帰。DFラファエル・マルケスも交通事故の怪我が回復し代表に戻ってきた。

GK:ホルヘ・カンポス、オズワルド・サンチェス、オスカル・ペレス
DF:パベル・パルド、セルフィオ・アルマゲール、クラウディオ・スアレス、
   ドゥイーリオ・ダビーノ、サルバドール・カルモナ、ラファエル・マルケス、
   オクタビオ・バルデス
MF:マルコ・アントニオ・ルイス、ヘルマン・ビジャ、ビクトル・ルイス、ヘラルド・トラド、
   セサーレオ・ビクトリーノ、ダビ・ランヘル、ホアキン・レジェス
FW:ホセ・マヌエル・アブンディス、ハレッド・ボルゲッティ、ミゲル・セペダ、
   ダニエル・オソルノ、フランシスコ・パレンシア、ルイス・エルナンデス

(ESPNdeportes,etc., Mexico D.F, 07/06/2001)


2001.06.04号

今週のベストセラー(メキシコ)

1.- La piel del cielo - Elena Poniatowska
2.- El Fish - Stephen C. Lundin
3.- La Caverna - Jose Saramago
4.- Instinto de Inez - Carlos Fuentes
5.- Quien se ha llevado mi queso? - Spencer Johnson
6.- Harry Potter y el caliz de fuego - J.K. Rowling
7.- La montan~a del alma - Gao Xingjian
8.- Aura - Carlos Fuentes
9.- La tercera via y sus criticos - Anthony Giddens
10.- Mas Platon y menos Prozac - Lou Marinoff

(AP, New York, 01/06/2001)

フォックス大統領がインターネットでチャット

 フォックス大統領は30日、スペイン系ポータルサイト、テラ・ライコス社が主催したチャット・イベントに参加。約4千人の一般参加者とともに、貧困や失業問題など様々なテーマについて意見を交わした。普段はインターネットをほとんど利用しないというフォックス大統領だが、PRI政権時代の「大統領は国民から遠い存在」といったイメージを払拭するのに必死だ。(Reuters, Mexico D.F, 30/05/2001)