■ 経済ニュース ■

001.08.20号

「メキシコのトラックに対する米国入国制約は差別行為だ」とブッシュ米大統領

米国内のヒスパニック系住民の票をあげたいブッシュ大統領は、メキシコのトラックが米国内に入れないようにしようとするのは「友人に対する差別行為だ」と批判した。2000年の大統領選では僅差で敗北を喫したニューメキシコ州で演説を行ったブッシュ大統領は、メキシコを「米国の友人」と呼び、米国とのより緊密な交易関係を築くことによって繁栄して欲しいと考えていると述べた。米国上院は8月1日に、米国内で商業活動を行うメキシコのトラックに対しより厳しい規制を課すことを求める構想を可決している。ブッシュ大統領は、下院もこれを承認するならば、大統領拒否権を発動すると警告している。(Reuters, Albuquerque-EEUU, 2001/08/16)

バナメックス、2001年の経済成長予測を見直し

2001年の第4四半期のメキシコ経済成長がほぼ0%であったことを発表してから、バナメックスは第3四半期以降の経済予測を当初の1.8%から1.2%に下方修正した。メキシコ財務省が発表した4-6月期のゼロ成長はバナメックスにとって予想外のものであったとしている。2001年第2四半期の国内総生産の数値から言って、消費減退が顕著に見られ、これが海外需要の減少と第1四半期の投資の減少を部分的に補完する結果となったと分析している。外的要素については米国の経済減速がいつまで続くのかが明確でないとし、国内的にはメキシコにおける投資の縮小はあと数ヶ月は続くであろうとした。また、実質賃金や利子率低下によっても相殺されない雇用の減少が消費を抑えこんでいるとした。また、産業活動の低下は著しく、特に工業生産と建設部門においてその低下が著しいと述べている。(Notimex, 2001/08/16)

2001年下半期の商業部門成長率は4%と予測ー全国商業会議所連合

ゴンサレス=クルス全国商工会議所連合(CONCANACO)会長はモンテレイでの記者会見で、2001年下半期の商業活動は最低でも4%の実質成長率を記録するだろうと述べた。この4ヶ月で初めて、メキシコ社会保険機構の統計結果が雇用の拡大を示したと言う。(Notimex, Monterrey, 2001/08/16)


001.08.13号

メキシコの新国際空港候補に三つめの都市が浮上

下院議員の一団は10日、下院の運輸委員会に対し、現在のメキシコシティ国際空港に代わる空港建設の候補地として、モレロス州テモアックを提案した。議員によるとテモアックはメキシコシティから30キロメートル離れている。1年5n360日までが天候に恵まれる土地で、霧で空港閉鎖となる可能性はほぼ皆無で、年間降水量は他の二つの候補地であるティサユカの400ミリやテスココの600ミリに比してわずか87.6ミリ。(CNI en Linea, 2001/08/10)

7月は0.26%のデフレを記録

メキシコ中央銀行の発表によると、7月のメキシコ全体の消費者物価上昇率はマイナス0.26%となり、消費者物価指数の算出が開始された1968年以来で最低となった。専門家予測のプラス0.18%を下回る結果となった。今年のこれまでのインフレ率はこれで1.84%となり、昨年の同じ時期と比べて2.96%低い。年率では5.88%となる。中央銀行はある声明のなかで今回のデフレは家庭用ガスの値下げが大きく影響したと述べている。(CNI en Linea, 2001/8/9)

IMF、メキシコペソのパフォーマンスを評価、米国との経済統合で投資家たちからも高い評価

「エマージング市場における資金調達」と題した季刊報告書の中で、国際通貨基金(IMF)はメキシコとロシアがこの4月から6月の間に最も良い経済パフォーマンスを示した国であり、特に石油によるところが大きいとした。同報告書は、メキシコペソはアルゼンチンの経済危機に対して比較的免疫が強いことを証明していること、米国との経済統合の強化から投資家たちにとっては「安全な避難場所」であると認識されていることを指摘している。報告書は同時にアルゼンチン経済危機は近隣諸国、特にブラジルにいくらか「汚染」を広げていることも指摘している。(El Norte, Washington DC, 2001/08/08)

JPモルガン、メキシコの経済回復は2001年年末になると予測

JPモルガン証券会社は、メキシコ経済は2001年の第4四半期に国内需要の強化に支えられて回復し始めるとの予測を発表した。

同社の予測によればメキシコの第3四半期の成長率は1.4%、第4四半期の成長率は4.1%と推移するとされている。今年の第1四半期・第2四半期の成長率はそれぞれ、1.2%と0.4%だった。また国外需要の拡大に牽引された1995年と1998年の経済再活性化とは異なり、今回は国内需要が回復を支えることになるだろうと指摘した。(El Universal, Nueva York, 2001/08/07)


2001.08.06号

ラテンアメリカ史上最大の銀行買収が完了−シティグループによるバナッシ買収

8月3日金曜日、ラテンアメリカの歴史上最大の銀行買収となる、シティグループによるバナッシの買収が完結した。またこの取引は、メキシコの株式市場(BMV)に初めて外国株が参加するも意味する。

シティバンクは今年5月にバナッシを125億ドルで買収する旨を発表、半分を現金、半分を株式の形で買い取るとしていた。さらに獅月6日からは、バナッシの全通常株を獲得するために、一株あたり2.6544ドルで公開買い付けを行ってきた。2日木曜日に終了したこの公開買い付けには、バナッシ株主の99.86%が応じた。また公開買い付けでは、通常株一株につき0.0269株のシティグループ通常株を1.3272ドルで売却された。

実際の買収は金曜日に完了しているが、公式には全ての株主に現金及び株式の形で支払いが行われる8月6日月曜日で完了となる。経営および取引の統合の完了は来年の初頭となる。(Reuters, Mexico, D.F., 2001/08/03)

シティグループ、メキシコ株式市場での取引を開始

バナッシとシティグループの合併完了を受けて、3日金曜日よりシティグループはメキシコ株式市場(BMV)での取引を開始した。BMVで取引されるシティグループ株は全部で1670万5281株で、一株あたりの価格は49.26ドル。(Notimex, Cd. de Mexico, 2001/08/03)

キューバ、バナメックスとの銀行取引を停止−キューバ情報筋

キューバ政府はキューバ国際金融銀行(BFI)とバナメックスとの全ての銀行取引を停止した。理由はバナメックスが米国のシティグループに100%買収されたため。今回の買収はキューバと米国の関係をさらに悪化させた。(CNI en Linea, 2001/08/1)

バナメックス所有の歴史的文化的資産、シティグループの手に

バナメックス所有の歴史的建造物や芸術作品などの文化遺産が、シティグループによるバナッシ買収の結果、シティグループの所有となった。バナメックスの株主たちは、これらの文化遺産は展示のための貸し出し以外の目的で国外に持ち出されることはないとしている。また、シティグループが文化遺産を売却しようとした場合、メキシコ政府が買収権を行使できる。

バナメックス所有の文化遺産は、専門家によると国内最大級のメキシコ芸術の個人コレクションだった。バナメックスは1884年の創立以来以来一世紀以上にわたってこれらの文化遺産をコレクションしてきた。(CNI en Linea/La Jornada, 2001/08/01)

メキシコのプライム・レート、史上最低に

メキシコ中央銀行が緊縮的な通貨政策を緩和すると発表したことと、インフレ率の予測が低くなったために、31日、メキシコのプライム・レート(銀行が最も信用力のある優良企業に貸し出す金利)が史上最低値となった。(Reuters, Mexico, D.F., 2001/07/31)

フォルクスワーゲン・メヒコの労働者、3週間以内にストライキを計画

フォルクスワーゲン・メヒコの労働組合は7月31日、賃金の30%引き上げを要求して3週間以内にストライキを決行する計画があることを発表した。ストライキの告知を対抗当局に提示し、8月18日午前11時からストライキを決行する模様。賃金引き上げ幅は交渉可能だが、10%以下の引き上げには応じない構え。

フォルクスワーゲンのメキシコ工場はプエブラ工場のみで、ここで世界80カ国に輸出されているニュービートルや、JETTA、ゴルフ・カブリオといった車種の製造が行われている。また旧型セダン(旧型ビートル)が世界で唯一、メキシコ市場限定で生産されている工場である。プエブラ工場では約16,000人の労働者が働いており、そのうち12,000人が組合に加入している。(Reuters, Mexico, D.F., 2001/07/31)