■社会ニュース■

2001.08.21号

メキシコシティ歴史地区救済プロジェクトを発表

 メキシコのフォックス大統領は14日、(犬猿の仲である)ロペス・メキシコ市長(野党PRD)との間で、世界遺産に認定されている「メキシコシティ歴史地区」の救済プログラムの共同実施に向け合意書を交わした。ソカロ再開発計画を含む同プログラムの実行機関は"歴史地区保護諮問審議会"で、中南米で最も金持な実業家カルロス・スリム氏(電話会社テルメックス社長)など財界人も参加するが、具体的な投資額については明らかにされていない。(Reuters, Mexico D.F, 14/AGO./2001)

スケベな州知事4人、夜のサンティアゴを満喫!?

 16日深夜、南米チリの首都サンティアゴ市内にある"トップレス"カフェ(俗称カフェ・コン・ピエルナス)で、同国を公式訪問中のフォックス・メキシコ大統領に随行していた州知事4人を記者団が目撃。現場の模様をスクープされた。
 4人の知事は記者団に対し、「コーヒー(カフェ)が飲みたいと運転手に頼んだら、この店に連れてこられた」と釈明。そそくさと店を出たが、ケレタロ州のロヨラ知事は「ゲイバーじゃないだけいいだろう」と捨てぜりふを残していった。記者の証言によると、チアパス州のサラサール知事はトップレス(上半身ヌード)のウエートレスにキスをしていた。(Reuters, Mexico D.F, 16/AGO./2001)

運送業界に狂言トラック盗難の疑惑

 保険金を騙しとるため自社企業製品を協力関係にあるマフィアに盗難させる運送会社の存在が財界からの告発で明らかとなった。メキシコ保険協会(AMIS)のスポークスマンは15日、運送トラック盗難は、麻薬密売、自動車盗難に次ぐ多発犯罪となっているが、これにマフィアが介在しているかについては断言できないとコメントを発表。(Grupo Reforma, Mexico D.F, 16/AGO./2001)

メキシコ市国際空港が集中豪雨で一時閉鎖

 メキシコ市で16日夕方18時頃集中豪雨があり、市内にある国際空港は滑走路が10センチ以上浸水したため、4時間近く閉鎖された。この影響で、同時刻に着陸予定だった国内・国際線20便がアカプルコ、プエブラ、レオン空港に臨時着陸。さらに55便の到着にも遅れが生じ、約1万人の足に影響が出た。(Reuters, Mexico D.F, 16/AGO./2001)

サッカー:23日のvsリベリア戦メンバー発表

 メキシコ大西洋岸の港町ベラクルスで23日開催されるリベリア共和国(アフリカ)との親善試合に、以下のメンバーが選出された。(カッコ内は所属クラブ)

GK
オスカル・ペレス(クルス・アスル)、オスワルド・サンチェス(グアダラハラ)、アドリアン・マルティネス(サントス)

DF
マヌエル・ビドリオ(パチュカ)、メルビン・ブラウン(クルスアスル)、クラウディオ・スアレス(ティグレス UANL)、エリベルト・モラレス(モレリア)、 アルベルト・ロドリゲス(パチュカ)
トマス・カンポス(クルスアスル)

MF
ラモン・モラレス(チバス)、アルベルト・ガルシア・アスペ(プエブラ)、ヨハン・ロドリゲス(サントス)、ヘルマン・ビジャ(アメリカ)、セサレオ・ビクトリーノ(クルスアスル)、フィフレッド・メルカド(レオン)
 
FW
ハレ・ボルヘッティ(サントス・ラグナ)、ヘスス・アレリャーノ(モンテレイ)、アントニオ・デ・ニグリス(モンテレイ)、ミグエル・セペダ(クルスアスル)

(Reuters, Mexico D.F, 17/AGO./2001)


2001.08.13号

赤ちゃん取り違え事件、3カ月後に発覚

米国との国境の町ヌエボ・ラレード市内の病院で、赤ちゃん2人が入れ替わって両親に引き取られていたことが3カ月後に判明した。「2人の赤ちゃんを入浴させた後、識別票を付け間違えたような気がする・・・」との看護婦の告白で発覚、DNA遺伝子検査で確証された。8日、2人の母親は赤ちゃんを交換した。(Reuters, Mexico D.F, 09/AGO./2001)

世論調査:フォックス大統領の支持率64%

レフォルマ紙が7月14-15日に実施した世論調査(1196人対象)で、フォックス大統領の支持率は64%となり、5月の前回調査に比べ1%低下した。(Reuters, Mexico D.F, 06/AGO./2001)

経済活動人口の50%以上が日給80ペソ

大手金融グループ BBV Bancomer"の経済情勢リポートによると、政府統計で、経済活動人口(4,510万人)の52.1%が法定最低賃金(日給40ペソ)の2倍以下の所得水準にある。最低賃金以下は全体の10.1%。以下、最低賃金の1倍(12.4%)、1-2倍(29.6%)、3倍(17.4%)、3-5倍(13.9%)、5-10倍(7.8%)、10倍以上(3.7%)となっている。(La Jornada, Mexico D.F, 08/AGO./2001)

ホセ・ドノソ文学賞、ホセ・エミリオ・パチェコが受賞

チリを代表する小説家ホセ・ドノソ(1924-96)の生誕地タルカで9日、タルカ大学主催の第1回「ホセ・ドノソ」イベロアメリカ文学賞の選考会が行われ、メキシコ人作家ホセ・エミリオ・パチェコ(1939〜)の受賞が決定した。(La Jornada, Mexico D.F, 09/AGO./2001)

※ホセ・エミリオ・パチェコの作品で日本語訳されているものには、幻想短編小説集「メドゥーサの血」(まどろう社)、小説「砂漠の戦い」(集英社文庫"ラテンアメリカ五人衆")がある。

「ゲラゲッツア祭り」が国立芸術院で再現

毎年7月末にオアハカで行われる民族舞踊フェスティバル「ゲラゲッツアの祭り」が10-12日、首都メキシコシティの国立芸術院で再現された。約3時間に凝縮されたショーでは、オアハカ各地の民族衣装に身をまとった踊り手200人が、地元の楽団の演奏をバックに華麗な踊りを披露した。(CNI en Linea, Mexico D.F, 11/AGO./2001)

映画"Y tu Mama Tambien"、興行成績で"Amores Perrros"を超える

話題のメキシコ映画"Y tu Mama Tambien"が公開8週目にして、9,500万ドルの興行収入を獲得する大ヒットとなっている。同映画は6月8日公開直後の週末に40万人を動員する快挙を成し遂げ、昨年のナンバーワン映画"Amores Perrros"(24週間で9,800万ペソ)を上回る勢いで興行成績を伸ばしている。メキシコ映画の歴代興行成績トップは"Sex, Pudor y Lagrimas" (1999)で、24週間の興行収入は1億1,800万ペソ。(Reforma紙より)

世界陸上:メキシコは5つのメダル獲得

8月3日から12日までカナダのエドモントンで開催された第8回世界陸上で、メキシコは5つのメダル(金1銀1銅3)を獲得した。7日、女子400メートル決勝でアナ・ゲバラが49.97秒で第3位となり、同大会でメキシコ人女性初のメダルを受賞。11日の男子50キロ競歩ではエドガー・エルナンデスが唯一の中南米選手としてエントリーし、3時間46分12秒のタイムで銅メダルに輝いた。この他、障害者部門で、男子車椅子 1500メートルでアーロン・ゴルディアンとサウル・メンドーサが金メダル、銅メダル、女子車椅子 800メートルでアリアドネ・エルナンデスが銀メダルを獲得した。


2001.08.06号

治療を受けているエイズ患者は10人に1人

メキシコで15万人と推定されるエイズ患者のうち、医療機関で適切な治療を受けているのは10.5%にすぎないことが30日、厚生省の発表で明らかとなった。エイズに関する知識不足や高額な医療費などが原因。メキシコでエイズ感染者は年率23%増加しており、国民死亡原因で第3位を占めている。厚生省の追跡調査によると、1980年代に4万7,000人いたエイズ患者のうち現在まで1万8,704人が生存、このうち1万5,840人が公立病院で治療を受けている。ちなみに昨年12月に発足したフォックス政権は、6年間で全てのエイズ患者への医療費を無料にすると公約している。(Reuters, Mexico D.F, 30/JUL./2001)

リンリンの人工授精は失敗

東京・上野動物園のジャイアントパンダ「リンリン」(雄、16歳)とメキシコ市・チャプルテペック動物園にいる3頭の雌パンダとの間で試みられた人工授精が失敗に終わったことが2日、メキシコ市当局の発表で明らかとなった。両園は5年間の繁殖協定を結んでおり、リンリンは早ければ今年冬にも再びメキシコを訪れ、人工授精に再トライする予定だ。リンリンは今年1月、「レンタル婿」としてメキシコに出発。雌3頭と自然交配を試みたが、2ヶ月間の共同生活はうまくいかず、3月に人工授精をし、4月に帰国していた。(朝日新聞 03/AGO./2001)

コパ・アメリカ:メキシコ、コロンビアに敗れ優勝逃す

29日にボゴタで行なわれたコパ・アメリカ(南米選手権)決勝は、地元コロンビアがメキシコを1対0で下し、初優勝を果たした。メキシコは1993年以来2度目の決勝進出だったが、準決勝のウルグアイ戦で退場となったキャプテン、ガルシア・アスペの出場停止が響き、最大のチャンスとなった後半19分のロマン・モラレスのフリーキックも、コロンビアの守護神オスカル・コルドバに阻まれた。一方、1975年以来となる決勝進出で初の栄冠を手にしたコロンビアは6戦全勝、無失点という素晴らしい成績で大会を締めくくった。同大会は、コロンビア・サッカー協会副会長の誘拐事件をきっかけに一時は開催中止が決定。その直後に開催 強行が決定したものの、治安悪化を理由に優勝候補アルゼンチン、招待国カナダが棄権。 ブラジルなどもスター選手の派遣を見送るなど、南米チャンピオンを決める大会としては盛り上がりに欠けた。そんな中、開催国としての意地を見せたコロンビア。スタジアムに詰めかけた4万6,000人の観客からは、「コロンビ ア! コロンビア!」「平和を! 平和を!」との大コールがわき起こった。