■ 政治ニュース ■

2001.11.26号

第11回イベロアメリカ首脳会議、リマ(ペルー)で開催

イベロアメリカ会議ロゴ

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ラテンアメリカ・カリブ諸国と旧宗主国であるスペイン・ポルトガルの首脳が第11回イベロアメリカ会議に出席するためペルーの首都リマに集まった。会期は11月23日金曜日から25日日曜日まで。ペルー警察は2万2千人の警官を動員して警備にあたっている。いくつかの二国間問題や貧困撲滅・開発問題といった議題と共に、厳しいアルゼンチン経済の状況への対処とテロリズム対策を中心に話し合いが行われる。ペルー首相によると、今回のイベロアメリカ会議は米国が対テロの戦争を行っている最中に開催されることもあり、テロ対策としてどのような協力体制を整えていくかについても話し合われる。

会議には19カ国の首脳が出席するが、キューバのカストロ議長は国内事情により参加しない。
BBC Mundo (2001/11/22), Notimex (2001/11/23)

フォックス大統領、ラテンアメリカの団結を呼びかけ

第11回イベロアメリカ会議に出席するためリマ入りしたフォックス大統領は、トレド・ペルー大統領のもてなしに対して感謝の意を表明し、今回の会議に対する意気込みを語った。21世紀の課題に取り組んでいくために、今回の会議ではよりいっそうラ米諸国の協力関係を強化する方向付けをしなければならないと述べた。 Notimex (2001/11/23)

メキシコは人権問題に真剣に取り組んでいる、とフォックス大統領

10月に起きた人権活動家である弁護士ディグナ・オチョア氏の暗殺事件以降、メキシコに対する人権保護の国際的圧力が強まる中、フォックス大統領は訪問先のリマで、メキシコは人権問題について重要な進歩を遂げていると述べた。フォックス政権はこれまでのメキシコの政権が犯してきた人権侵害に対して行動を起こすよう強く求められている。フォックス大統領は、人権問題で進歩が見られる証拠として、ゲレーロ州の環境問題活動家の農民二人を釈放したこと、過去に政治問題で行方不明となっている人々の調査のために特別予算を組んだことを挙げた。しかしながら、フォックス政権は8年前から服役しているガジャルド将軍を11月g28年の刑期を全うしていないとして釈放を拒絶した。ガジャルド将軍は軍事資料の破棄や業務上横領などの容疑で逮捕されたが、実際は「軍部オンブズマン」制度の設立を訴えたため投獄されたと人権団体は考えている。Reuters (nov 24, 2001)


2001.11.19号

移民問題をめぐる米国との対話を再開

メキシコ政府と米国議会の民主党派議員たちは、17日土曜日に、米国同時多発テロ事件以後中断していた不法移民問題をめぐる対話を再開した。米国上院の多数派である民主党の代表、トム・ダシュル氏と、過半数を割っている下院民主派代表のリチャード・ゲファール氏が、フォックス大統領の所有するグアナファト州のサンクリストバル農場で、メキシコ大統領と会合を持った。メキシコは今年のはじめから、いろいろな理由・立場で米国で労働しているメキシコ系移民のうち300万人を合法化する合意を目指して、対話を続けてきたが、9月11日のテロ事件以後中断していたのを再開したもの。Reuters (nov 17, 2001)

フォックス大統領、医療研究所を創設

メディカ・スール病院内の医療研究所の創設の際の挨拶を行ったフォックス大統領は、医療は民間にも政府にも独占されてはならないと演説した。また、政権の公約はすべての国民に医療サービスへのアクセスを補償することであり、その医療サービスは民間・公共両方のものでなければならないとした。また財政改革案にも言及し、メキシコの発展のためにもこの改革案が承認されることを来たいすると述べた。CNI en linea (nov 16, 2001)

フォックス大統領 連邦制を強調、より公平な分配を目標に

ベラクルスで行われた連邦制に関する国際フォーラムで開会の挨拶をしたフォックス大統領は、国家の将来は連邦制にかかっており、今後より一層多くの資源と権力を各州や各地方自治体に与えていくと述べた。また、フォックス大統領が州知事だった時代に中央集権主義の「不便さ」を実感した、とも述べた。さらに、政権の公約としてより公平で透明な分配を実行して行くつもりだと述べた。El Norte, Monterrey (nov 15, 2001)


2001.11.12号

ミチョアカン州選挙の行方は?-ラサロ・カルデナス氏・民主革命党の勝利確実か

11月11日日曜、メキシコ南西部のミチョアカン州で州知事選の投票が行われた。当選した場合ミチョアカン州知事を親子三代にわたって務めることになる、民主革命党のラサロ・カルデナス・バテル氏の当選が、最も有力視されている。対抗馬は地元企業家のアルフレド・アナヤ氏。ミチョアカン州では1929年以来ずっとPRIの独裁が続いており、今回カルデナス氏が当選すると、初めてPRI以外の州知事が出ることとなる。

しかし同日曜日にはサッカーのメキシコ対ホンジュラス選があり、この勝敗が来年のワールドカップ出場への最終決定になるとあって、多くの有権者が投票所に来ない可能性がある。候補者自身、試合を見るために午前中に投票を終わらせている。 Associated Press (nov 11, 2001), Reuters (nov 11, 2001)

第3回 情報の透明性と情報へのアクセスに関する国家評議会-政府寄りのメディアへの補助金として予算が使われてはならない、と報道側が要求

政府の宣伝に使われる公的予算を透明化するようにとの報道側の要請に応じて、内務省外報部のドゥラン・レベレスは、9月までに使われたのは国会で承認されていた35億ペソの内10億ペソのみであると発表した。宣伝に120億ペソが使われているというのは噂に過ぎないと述べた。また、この10億ペソの中には政府広報誌Diario Oficialの発行費用、パスポートや公的書類のの発行費用、なども含まれるとした。

報道側はさらに、財務省が情報提供という面で銀行家を優遇する措置をとっていることに対しても抗議した。La Jornada, Ciudad de Mexico (nov 7, 2001)

米国との移民問題で今年中に実質的成果はあげられないだろうとフォックス大統領

米墨間の不法移民問題について、新しい二国間議定書が取り交わされたことを受けて、フォックス大統領は今年は移民問題をめぐる「実質的」成果あるいは「解決」はないだろうと述べた。11月20日から二国間協議が行われることになっているとした。CNI en linea (nov 10, 2001)


2001.11.04号

メキシコ政府とメキシコ州政府が新空港建設地テスココの現状調査

メキシコ連邦政府とメキシコ州政府は、空港建設用地の買収は国内で深い同情を生んでいることを認めたうえで、土地の接収を行う際には、影響を受けることになる住民に対し、情報を提供したり、支援したり、必要とあれば補償を行ったりすることの重要性をともに確認した。新空港建設プロジェクトの進捗状況を報告するために発表された、内務省と通信交通省の共同声明のなかで述べた。Mexico, 31 Oct (Notimex)

テスココのエヒダタリオ(共同土地所有者)が道路封鎖を解除

ロス・ピノスの大統領公邸近くのチバシート通りを封鎖していたテスココ地域のエヒダタリオたちは、連邦大統領府と内務省の代表者との会見ののち、道路封鎖を解除した。メキシコ州のテスココ、サン・サルバドール・アテンコ、チマルワカンの3地域に住む農民たちの代表は、会見において自分たちの居住地域への新空港建設に対する反対を申し入れたと発表した。またテスココの住民からは大統領の回答を求める意見書を提出した。Mexico, 31 Oct (Notimex)

エネルギー部門に対する主権の維持を再確認

フォックス大統領は「エネルギー部門計画2001-2006」の発表に際し、この計画においては国営企業との戦略的な協力関係を通じて民間部門の参加も認めるべきであるが、いかなる場合にもエネルギー部門に対する主権を国家が失うことはないと強調した。この計画は長期的なものであり、その中には様々な目標や戦略が含まれている。特に、国営企業の株式を売ることなく電力部門を民間投資に開放する計画があり、投資の増加と技術の向上を目指している。また、最も必要のある人々に対する補助金政策もこの計画の中で重要なもののひとつであり、特に、農村への電力供給計画などがある。CNI en linea (oct 31, 2001)