■ 経済ニュース ■

2002.03.25号

VWメヒコの危機−労働組合が会社の解雇政策受け入れへ

低価格競争が続く自動車業界の動向とメキシコに影響を及ぼした昨年の世界不況の結果、フォルクスワーゲン・メキシコは労働組合に対して「労働時間短縮・12パーセントまでの減給・契約更新の前倒し」か「1350人の解雇」の二者択一を迫った。組合が会社側の提案を協議にかけた結果、組合側の予想を裏切って、9238人の労働者のうち6325人が解雇賛成に投票した。工場内に設置された投票所で投票を済ませた労働者たちは、減給された後よりも今解雇の危険をおかした方がよい、と述べた。減給された給料が退職金に影響するためだ。また、会社側が時短や減給をしてもなお雇用を保証してはくれないため、雇用削減の方がよいと判断したとも述べた。

昨年は米国の不況にアルゼンチンの不況が重なり、同国へ輸出されることになっていた2000台のビートルとジェッタが輸出できず、メキシコ工場で予定されていた成長率に影響した。操業停止に加え、賃上げ交渉で合意を得られなかった労働者側が2001年8月18日から3カ月にわたるストライキを決行した。VWメヒコのサンス副社長はストライキ前に、「会社が契約しているメキシコ人労働力は他のラテンアメリカ諸国と比べて最も高いが、メキシコの生命にかかわるので工場は操業を続けなければならない」と苦言を述べていた。こうしたVWの状況にも関わらず、他の自動車製造企業では解雇はすでに行われていた。貨物トラックを製造するDinaは昨年はじめに倒産し、506人が9月11日に解雇された。La Jornada, Ciudad de Mexico (mar 22, 2002)

20万のインフォーマル商業を創出−インフォーマル商店が市場を支配

レフォルマ紙に商業・サービス・観光会議所連合が発表したデータによると、昨年はじめから20万以上のインフォーマル商業がメキシコに生まれた。13.6パーセントの増加率。しかしながら、フォーマル経済部門での厳しい不況の影響を緩和する働きをしたことも確かだ。4千万の労働力のうち、半分以上の2200万人がインフォーマルセクターで雇用されていると計算されている。公的データによると、インフォーマルセクターは国内総生産の15パーセント近くを占めることになっているが、50パーセント以上であるとする非公式データもある。問題に対処するため政府は小規模信用プログラムを推進しているが、反対派はより根本的な改革が必要であると述べている。CNN en espan~ol (mar 21, 2002)


2002.03.18号

2月はデフレに−メキシコ中銀発表

メキシコ中央銀行は3月7日、2月の消費者物価上昇率は0.06パーセントのデフレとなったと発表した。国内消費者物価上昇率がマイナスに転じたのは、トマト・グリーントマト・タマネギ・家庭用ガス・鶏肉・キュウリ・卵といった財とサービスの最終コストの低下によるところが大きく、電気料金の値上げ分が相殺された結果である。2月に価格が上昇したものは、電気料金の他に、住宅・ソフトドリンク・トウモロコシトルティージャ・レストラン・都市部のバスおよびマンゴーだった。

全体的な物価は下降傾向を示したものの、いくつかの部門においては著しい物価上昇が見られている。1月の物価上昇率は0.86パーセントだった。La Jornada, Ciudad de Mexico (mar 8, 2002)

ヒル・ディアス財務大臣が再度の予算削減を予告

ヒル・ディアス財務大臣は、メキシコ国会は1月1日に承認された税制改革案の中の間接税に関する条項を見直す必要があると述べ、再び予算削減の必要性が差し迫ってきていることを認めた。

米州開発機構の第43回年次会議に出席するためにブラジルを訪れていたヒル・ディアス財務大臣は、現在様々な税率が混在している付加価値税について、統一の税率を設けねばならないとした。また、予算削減の額については具体的には述べなかったものの、社会部門・公共部門以外の行政機関は支出を5パーセントは押さえねばならないとした。さらに、今年の政府収入は1130億ドルとなるだろうと推定した。

経済成長率については、メキシコ政府は1.7パーセントの成長を見込んでおり、この予測が下方修正されることはないと述べた。CNI en linea (mar 11, 2002)


2002.03.04号

メキシコ経済は2002年中にダイナミズムを取り戻す、とBBVA

ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行BBVAは、ラテンアメリカ経済に関する報告書「ラテンウォッチ」の最新号で、メキシコ経済は2002年を通じて徐々に活力を取り戻し、特に年末にかけてその速度をあげるだろう、と評価した。Notimex (feb 28, 2002)

メキシコ最大の労組が失業拡大させたとしてフォックス大統領を批判

メキシコ最大の労働組合連合であるCTM(メキシコ労働連合)の幹部の一人、ネツワルコヨトル・デ・ラ・ベガ氏は3月1日、メキシコ経済不況により解雇が増え、雇用機会が大きく減少したことの責任があるとして、フォックス大統領を批判した。公式統計によれば、昨年より不況にあえぐメキシコでは50万人が失業したとされている。Reuters (mar 1, 2002)