■ 経済ニュース ■

2002.08.27号

HSBCホールディングス、Bitalフィナンシャルグループを買収

イギリスのHSBCホールディングスは、メキシコのBitalフィナンシャルグループを11億4千万ドルで買収することを発表した。HSBCホールディングスは欧州最大の市場価値を持ち、以前からBitalの買収を検討していた。北米における存在の拡大を目指す戦略のひとつであるとしている。CNN en espan~ol (ago 21, 2002)

所得購買力が10パーセント低下

メキシコ国立自治大学(UNAM)の最近の研究によると、2000年12月1日から2002年8月15日までのあいだに、実質賃金購買力は10.7パーセント低下し、フォックス政権の経済政策における努力は価格上昇に追いついていないという結果が出た。UNAMの経済学部にある学際研究センター(CAM)が作成した「フォックス政権初期二年間における祭典賃金と基礎消費バスケット」と題された文書によると、現政権はメキシコ国民の購買力を回復するために賃金政策を支援するという公約を守っていない、と説明している。Reforma,(ago 26, 2002)

フォックス大統領の電力部門改革は限られたものである、とBBVA-Bancomer報告

最近フォックス大統領が推し進めている電力部門改革は同部門の発展に明るい展望を与えるとされているが、実際には改革自体が限られたものであり、制度の効率化を保証するものではない、とBBVA-Bancomerが報告書の中で指摘した。
8月中旬、フォックス大統領は議会に電力部門改革案を提出し、その中には、電力部門へのより多くの民間投資を許可するよう、憲法の二条文を改正することが盛り込まれていた。メキシコの電力産業は国営であり、いかなる変更も議会の承認が必要となる。アナリストや政府によれば、国の電力部門は近代化が必要であり、電力供給不足を防ぐためには、今後7年のあいだに28862メガワット電力供給を増やして40000メガワットとする必要がある。拡張に必要な費用をすべて政府予算でまかなうことはできないため、民間資本を求めている。しかしこれまでの民間部門による投資を増やそうとする試みは、メキシコにおいては電力部門は国の主権の象徴として捉えられているため議会の反対で承認されなかった。
報告書の中でアナリストのエドゥアルド・トーレス氏は、大統領案は今後数年のインフラ整備における政府の財政圧迫を軽減する効果はあり、電力産業への民間の参加を促すものではあるが、連邦電力公社や中央電力公社を利用者の大部分への供給者として温存しようとしているため、サービスの効率・範囲・質の面での問題を解決するものではないと指摘している。Reuters (ago 26, 2002)


2002.08.20号

GDPプラス成長で一安心のメキシコ

INEGIと財務省が発表した数値によると、2002年第2四半期メキシコの国内総生産は第一四半期と比べて1.16パーセントのプラス成長となり、一年半続いた不況に終止符が打たれた。ラテン・ソース社のエコノミスト、ジョナサン・ヒース氏によると、一般に国内総生産が二四半期続けてマイナス成長となるとその国の経済は不況であると判断されるが、メキシコの場合はこれが終結したと判断される。ヒース氏はまた、メキシコは801年代初頭から通算5度の不況を経験しているが、今回のものが最も長く、最も程度の軽いものであったと述べている。Reforma, (ago 16, 2002)

メキシコシティ地下鉄のストライキはまたもや回避

16日金曜日に予告されていたメキシコシティ地下鉄のストライキは、労組と政府とのあいだで一連の合意を取り付けたため、回避された。エンシーナス内務副大臣は短い記者会見を行って、労働側が求めていた賃金及びその他給付の改善について前向きな返答をした、と述べた。合意の内容は、賃金の8パーセントアップ、給付の66パーセントアップなどが含まれる。Notimex (ago 16, 2002)

インフレ率上昇に合わせた地下鉄運賃、水道料金、不動産税の改正の可能性をメキシコ市長が示唆

ロペス・オブラドール・メキシコ市長は毎日行っている記者会見で、地下鉄運賃や水道料金など公共料金の値上げや不動産税の引き上げは行われず、来年になってから、メキシコ中央銀行が推定するインフレ率に合わせて調整を行うにとどめるということを確認した。料金の値上げを行うよりも、行政の効率化によってコストを削減することで調整が進められていると報告した。Notimex (ago 17, 2002)


2002.08.13号

メキシコシティ地下鉄のストライキと交渉が延期される

地下鉄労働組合幹部とメキシコ市政府の間で6時間にわたる交渉が行われ、次回の会合を今週の木曜日に行うことで合意した。それまでの間はストライキは行われない。
今回の会合では8月13日火曜日に地下鉄11路線全てが運行停止するかどうかを決めることになっていた。運行が停止されれば、500万人以上の市民の足に影響を与えると予想された。

メキシコ、フォックス政権で初の庭師輸出

コロラド州デンバーの郊外にあるソントン市は、市内の公園や庭園を管理する庭師をメキシコで探すことに決めた。地元で人材をさがす試みが何度も行われたものの、見つけることができなかったため。
「米国人を雇う資金はつきてしまったし、地元でも労働者を見つけることができなかった。そのためメキシコで探すことに決めた」とノエル・ビュスク・ソントン市長はノティメックスの電話インタビューで答えた。
市長によると、5年以上ものあいだ市は、労働者不足のため公園の維持管理が満足にできない状態に悩まされている。今年4月にはソントン市の職員二人がメキシコ中部の街サカテカスを訪れ、専門家ではない外国人労働者を雇うためのH-2Bビザを使って終日雇いの労働者を探した。雇われたメキシコ人は水やりや樹のせん定などを行った。フォックス大統領は選挙運動中から農民に対して米国で庭師として働けるように準備を進めておくようアドバイスし、反対勢力からは激しい批判を浴びていた。CNI en linea (ago 9, 2002)

世銀、メキシコに2億200万ドル融資−持続的可能な発展のため

世界銀行は8月6日、メキシコが進めている持続可能な発展の促進を援助するため、2億200万ドルの融資を行うことを認めた、と発表した。Reuters (ago 6, 2002)

インフレ率は予想以上に上昇

国内消費者物価指数は2002年7月期に0.29パーセント上昇した、とメキシコ中央銀行が発表した。予測されていた0.27パーセントをわずかに上回った。中銀はこれにより、年率は5.51パーセントとなった、としている。Reforma  (ago 8, 2002)


2002.08.06号

連邦特別区政府、自己雇用者へ少額融資

連邦特別区政府は8月5日月曜日、自己雇用者に対して4852件の少額融資を行った。融資総額は1744万8000ペソ。融資の供与はメキシコ市のソカロでロペス・オブラドール市長が主催した式典のなかで行われた。
式典でコーエン経済開発大臣は、メキシコ市が主導する経済政策のおかげでより多くの人がきちんとした職に就けるようになってきている、と述べた。INEGIの統計によると、昨6月は失業率が5月と比べて減少した。今回のような融資の引き渡しを行うのは4度目で、4月、5月、6月にも行われている。Notimex (ago 5, 2002)

メキシコ・ペソ、国際金融状況にかかわらず安定を維持

メキシコ国内の主要な経済指標の動向はペソの安定を期待できるものであるにもかかわらず、国際的状況が市場のボラティリティーを左右している、との分析をサンタンデール・インベストメントとセルフィンが発表した。
サンタンデール分析週報の指標によると、国内市場のもつ指標はポジティブで国外のボラティリティーの影響を補完しうるレベルにあり、まもなく対ドルレートは9.75から9.85の間で落ち着くだろうとしている。Notimex (ago 5, 2002)