■社会ニュース■

2002.08.27号

牛肉よ、さらば=アルゼンチン

長引く経済危機は、アルゼンチンの食生活さえも変えつつある。世界有数の牛肉生産国アルゼンチン人の年間の牛肉消費量は一人当たり平均56キロ。しかし、昨年12月から今年6月までで牛肉の価格は36.5%上昇しており、国民食ともいえる牛肉の消費を控えざる得なくなっている。同国食肉業界CICRAの統計によると、5月のスーパーにおける牛肉販売量は、前年同月比25.5%減少。兌換制廃止に伴う通貨ペソ下落で、消費者物価は今年1月から7月までに34.7%上昇しているが、賃金は据え置きとなっており、市民の購買力は急速に低下している。(ロイター電、ブエノスアイレス)

案山子(かかし)が刑務所見張り=ブラジル

サンパウロの刑務所の監査を行っていた判事が、監視塔に看守の制服を着た麦わらの案山子が置かれているのを発見した。司法当局は、刑務所の警護に重大な違反があった疑いがあるとして、判事が持ち帰った案山子を証拠として調査を開始する。ブラジルの刑務所は、過剰収容など劣悪な環境にあり、囚人の脱獄、暴動などが頻発している。(ロイター、サンパウロ)

メキシコに初出店=スターバックス(転載記事)

米コーヒーチェーン大手スターバックスは19日、メキシコで初めての店舗を来月初めに首都メキシコ市でオープンさせると発表した。約2千万人の大人口を抱えるメキシコ市での出店は、中南米地域では先週のプエルトリコの首都サン・フアン旧市街への出店に続くものとなる。(メキシコ市 19日DJ=時事)

女子重量挙げ金メダリストがドーピング違反=メキシコ(転載記事)

メキシコのスポーツ当局者は24日、2000年シドニー五輪の重量挙げ女子58キロ級で金メダルを獲得したソラヤ・ヒメネス(メキシコ)が、ベネズエラで7月に行われた競技会のドーピング(禁止薬物使用)検査で興奮剤の陽性反応が出たと発表した。事実が確認された場合、少なくとも六ヶ月の出場停止処分になる。ヒメネスは、メキシコ女性で五輪初の金メダリスト。ベネズエラの競技会では2個の金メダルを獲得した。(ロイター時事)

「神父の恋」描く映画が話題に〜教会反発、前評判あおる=メキシコ(転載記事)

★otokitaが先週の芸能ニュースで現地レポートしてます。

カトリック教会の規範に背き、少女と憩いに落ちる神父を描いた映画が16日からメキシコで公開される。教会などは「不適切だ」と反発、国民に映画を見ないように呼びかけているが、これが逆に前評判をあおり、上映する映画館が封切り直前になって300から400に増えるなど社会的関心を集めている。
この作品は、19世紀のポルトガルの小説を原作としたカルロス・カレラ監督の「アマロ神父の罪」。若手人気俳優ガエル・ガルシア・ベルナルの演じる神父が16歳の少女と恋に落ちるストーリー。また、別の司祭が病院運営のため、麻薬資金に手を染める様子も描かれている。
メキシコは人口の80%をカトリック信者が閉め、7月末にはローマ法王ヨハネ・_パウロ2世が首都メキシコで盛大なミサを開いた。「アマロ神父の罪」の封切りは、法王の来訪に配慮して先送りされていた。
カトリック司教会議は、差kすひんが教会の神聖なシンボルを娯楽の対象にしている」と怒り心頭。保守系の有力政治家からも批判の声が挙がり、カレラ監督は「作品を深いに思う人がいるのは分かるが、これほのどの批判がでるとは・・・」と困惑気味だ。


2002.08.20号

ヌエボ・レオンで麻薬カルテルが組織づくり

共和国検事長のラファエル・マセド・デ・ラ・コンチャ氏は16日、モンテレイ州のヌエボ・レオンにオシエル・カルデナスをリーダーとする麻薬組織が活動拠点を築いている、と発表した。彼らは、ヌエボ・レオンを取引の際の通行の中間地点として利用するため、また新しい構成員を獲得するためにこの地に拠点を置くのではないかと言われている。マセド・デ・ラ・コンチャ氏はモンテレイ州を訪れ、フェルナンド・カナレス・クラリオンド州知事と会見し、彼らの違法活動を厳しく取り締まるよう、協力を要請した。(El Universal / 16 de agosto de 2002 / Monterrey, Mexico)

サカテカスで大雨洪水、4人が死亡、1万人が被災

大雨による洪水で4人が死亡し、1万人が被害を受けた。特に被害の大きいのはVilla Garcia、Villanueva、Tabasco、Jerezの地域。これらの地域ではダム、川、貯水溝の氾濫、切断などが起こっている。土曜日にメキシコシティから行方不明者を探す救助犬や救急隊員が到着し、木曜日から行方不明になっていた3人の遺体が発見された。その中には3歳の子供も含まれている。現在もEl Chiqueダムの水位が上がっており、サカテカスの住民には避難を呼びかけている。政府は避難民を受け入れるセンターを開き、また被害者への募金活動を行っている。また、民間団体やカトリック教会も昨日から救助活動を始めている。(El Universal / 17 de agosto de 2002 / Zacatecas, Mexico)


2002.08.13号

メキシコ国民の53%が1日34ペソで生活しているという調査結果

約53百万人のメキシコ国民(国民全体の半数以上)は1日、34ペソ弱で生活している、とSedesol(社会開発委員会)が国民の貧困の現実について行った調査の結果を発表した。この調査によると、貧困のタイプは3つに分けられるという。@食べ物にも困る貧困、A潜在的貧困、そしてB国の経済により生じた貧困である。この現象はある特定の貧しい地域だけではなく、国全体に見られるという。メキシコ国民の53.7%がBのタイプの貧困層に属しており、平均1日に34ペソを稼いで生活を送っている(都市部では41ペソ、地方では28ペソ)。25.3%の家庭がAのタイプの貧困層で、1日の収入は18〜24ペソで、この経済状態では食事、教育、健康の状態を維持するのが難しくなる。@のタイプの貧困層に属しているのが18.6%の家庭で、平均、1日に得る収入が15〜20ペソである。(El Universal / 11 de agosto de 2002 / Mexico)

中古車がメキシコシティの空気汚染の原因であるとマサチューセッツ工科大学の研究者が発表

メキシコシティを走っている350万台の車のうち70%の車がその古さのゆえに空気汚染のもととなる一酸化炭素や炭化水素ガスを排出している。また、1993年以降に製造された車のうち48%しか、空気汚染を配慮した鉛なしガソリンを使用する整備が施されていない。これらの調査はマサチューセッツ工科大学の調査員であるアレハンドロ・ビジェガス・ロペス氏によって行われ、中古車による空気汚染についてメキシコシティに調査結果が提出された。政府には個人の車の走行距離の制限などの対策を練る必要性が生じている。(El Universal / 11 de agosto 2002 / Mexico)


2002.08.06号

メキシコシティに住む老人の30%が貧困層に属している

メキシコシティに住む740,000人の老人のうち約30%が貧困層と呼ばれる状態の生活をしていることが発表された。彼らは物乞いによって生計を立てている。残りの70%は年金や家族の援助によって生計を立てているが、740,000人のうち経済的に良好な生活をしている人は74,000人しかおらず、400,000人は経済的に良好とはいえない状況だという。これらの老人を援助するため、メキシコシティ立法議会は国の来年度予算の2%を援助費として算出するよう求めている。しかし、それらの経費だけではこの問題を解決するのは難しいだろう。( El Universal / 4 de agosto 2002 / Ciudad de Mexico)

新メキシコ空港プロジェクト挫折

メキシコ政府は、メキシコシティ近郊に新国際空港を建設する予定であったが、地元農民達の強い反対運動により、プロジェクトを中止することを決定した。メキシコ交通運輸省は7月31日、新国際空港は別の場所で建設することを考えている、と発表した。プロジェクト中止の主な原因は、地元農民達の強い反対であった。13の村の農民達は空港建設反対を唱えるのと同時に、政府に対する土地の買い上げ金額を高く要求。メキシコ政府はその条件を呑むことができず、中止となった。( Mexico Daily / 4 de agosto 2002 / Ciudad de Mexico)