■ 政治ニュース ■

2002.10.29号

フォックス大統領、プーチン・ロシア大統領に訪墨日程の組み直しを勧める

ロシアのウラジミル・プーチン大統領が予定していたにもかかわらず、約150名の死者を出した大規模なテロ事件のために実現しなかったメキシコ訪問を、日程を変更してでも実現するよう、メキシコ大統領が勧めている。当初はAPEC首脳会議に出席したあとメキシコ大統領、上下院の議員幹部と会談してから、帰国する予定だった。カシアノフ首相が代理でAPEC首脳会議に出席した。(Proceso, 2002/10/28)

ブラジルのルラ新大統領をフォックス大統領が祝福

ブラジル史上最も高い61.4パーセントの得票率でブラジルの新大統領に当選したルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ氏に、フォックス大統領が祝福を送った。ハリケーン・ケンナのもたらした被害を視察するためにプエルト・バジャルタに移動したフォックス大統領は、移動の道中でルラ候補と電話で会談し、就任前に二国間関係の将来について語り合うためメキシコを訪問するよう招待した。(Proceso, CNI en Linea, 2002/10/28)

フォックス大統領、米国の対イラク単独行動を批判

フォックス大統領は、メキシコは米国と英国による対イラク単独行動に抗議する、とのコメントを発表した。レフォルマ紙に公表された内容によると、大統領は「われわれは決断を下すのは国連においてでなければならない、と考えている」と述べた。また、「もしイラクが本当に世界全体の脅威であるならば、また実際にイラクがテロを支援しているのであれば、国連の枠内で、この件に終止符を打つのに協力していきたい」と付け足した。またメキシコは米国の敵でも味方でもなく、対テロ闘争は同時に人権問題にも関わってくるため、闘っているのだ、と述べた。(CNI en Linea, 2002/10/24)

ブッシュとフォックス、ロスカボスで農業・移民・イラク問題について協議

ブッシュ米大統領とフォックス大統領は、第10回APEC首脳会議の枠組み内で行われた首脳会談で、二国間問題のテーマについて確認を行ったが、「具体的な解決」には至らなかった。メキシコ大統領によると、農業問題については北米自由貿易協定の枠組み内での農水産品の関税撤廃の最終段階に、来年はどう取り組んでいくのかについて話し合われた。またイラク問題については、米国側がメキシコに国連安保理のなかでの解決策を求めたのに対し、メキシコ側は移民問題での合意を進めるよう強調した。メキシコは2002-2003年にかけて国連安保理の非常任理事国を務めているが、米国が提示している新しい対イラク行動案については態度を決めていない。(Reuters, 2002/10/26)

APEC首脳会議は成功、とフォックス大統領が評価

第10回APEC首脳会議は、APEC会議が始まって以来初めて、いくつかの目標において合意が得られたため、成功であったとフォックス大統領が評価した。会議に参加した21カ国の首脳は親密かつ誠実・率直であったと述べた。(Notimex, 2002/10/27)


2002.10.22号

APEC会議がロス・カボスで開幕−通商やテロの問題を議論

フォックス大統領はメキシコはバハ・カリフォルニア・スールのロス・カボスで10月22日火曜日に開幕するAPECの第10回会議に出席し、記者センターで開会式を執り行う。会議では通商からテロリズムに関する問題までが取り扱われることになっている。昨年は中国上海でAPEC会議が行われたが、米国同時多発テロ直後で加盟国すべてが対テロ闘争に協力することで合意していた。(CNI en linea, 2002/10/20, AP, 2002/109/21)

フォックス大統領「日墨自由貿易協定締結交渉は順調」

フォックス大統領は10月21日月曜日、自由貿易協定締結によって日本が米国に次ぐメキシコの第二の通商相手国としての立場を確立すれば、メキシコには重要な技術がもたらされることになるだろうと述べた。「メキシコは日本にとって国内市場の大きさから言って非常に重要な存在であり、ラテンアメリカ市場のような地球上で最も大きな経済ブロックへの玄関口としても重要である。」と日本の交渉団との会見で述べた。交渉は開始間近であるがまだ具体的な日にちは決まっていないとしている。(AP, 2002/10/21)

FTA推進に転換、APEC閣僚宣言骨子案が判明(転載記事)

23、24の両日にメキシコで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)閣僚会議で採択される閣僚宣言の骨子案が21日、明らかになった。特定の国・地域間で関税撤廃などを目指す自由貿易協定(FTA)について、「APECの理念と一致する」と明確な支持を表明、域内でFTA推進に向けた情報交換などの連携を強化する方針を初めて盛り込んだ。
 さらに、域内の貿易・投資の円滑化に向け、95年に策定した「大阪行動指針」を抜本的に拡充し、開発途上国で取り組みが遅れている商法や特許法、独占禁止法などの整備を支援することで一致した。
 APEC内ではFTAを「閉鎖的な経済ブロックの形成につながる」などとして、否定的な見解が多かった。だが、FTAには貿易を拡大する効果がある。域内でも28のFTAが締結されており、こうした現状を前向きに評価することにした。APECの後押しを受けることで、日本―東南アジア諸国連合(ASEAN)間などでFTA締結に弾みが付くのは必至と見られる。小泉首相は26、27日のAPEC首脳会議で「FTAは企業の活力を引き出し、経済活性化につながる」とFTAの推進を表明する方針だ。
また、途上国で模倣品や海賊版の商品の製造や流通が横行していることを踏まえ、加盟国・地域が、模倣品対策を担当する「知的財産権サービスセンター」(仮称)を来年中に、それぞれ設置する。同センターでは、被害を受けた企業の法律・訴訟の相談に応じる。(読売新聞 10月22日)


2002.10.15号

フォックス大統領が「ラテンアメリカ一の指導者モデル」に

ラテンアメリカ地域の経済動向をめぐってマイアミ・ヘラルド紙が開催した会合、アメリカス会議のなかで公表されたアンケート結果によると、アルゼンチン・ブラジル・コロンビア・ベネズエラ・チリ・メキシコの420人のオピニオンリーダーを対象に行われた民間調査で、フォックス大統領が「米州大陸の指導者モデルのなかで最も優れた人物」と認められた。ブラジルのカルドーゾ大統領やカストロ首相、ベネズエラのチャベス大統領、ペルーのトレド大統領を抑えてのフォックス大統領の勝利となった。アンケートはマイアミ大学のビジネススクールが担当した。(2002/10/14 Proceso)

フォックス大統領、反対派のコンセンサスを得られない事態を嘆く

任期2年満了を迎えようとしているフォックス大統領は、これまで主要な構造改革案の承認を得るための反対派からのコンセンサスが得られずにいることを嘆いた。現在の国会では、どの党も過半数を占めておらず、カギとなる構想を足止めする原因となっている。大統領は「協約による移行、合意の上での移行の道を模索してきたが、22カ月が経過した現在のところ、目的を果たしているとは言えない」とぼやいた。昨年は国家財政が弱体化しているため収入を増やすための改革を提案したが、議会の反対で政府が期待していた税収増のほんの一部しか実現しない法律しか通らなかった。また現在は、フォックス大統領が憲法改正を伴った改革案として提案している電力部門への民間参加拡大をめぐる5つの構想が議会で審議されているが、難航している。(2002/10/09, Reuters)

メキシコと中米の先住民、地域プランに反対デモ-コロンブスの米大陸到着510年の日に

コロンブスが米大陸に初めて到達してから510年目にあたる10月12日土曜日は、メキシコと中米の先住民による抗議デモが相次いだ。新しい地域プランは新たな植民地化の試みであるとして、強く抗議した。(2002/10/12, Reuers)


2002.10.08号

フォックス大統領、臓器移植週間の開始宣言、自らと妻の臓器提供も

10月7日月曜日に、全国臓器提供・移植週間の始まりの式典を指揮したフォックス大統領は、自らと妻マルタ・サアグン夫人の臓器を死後に必要とする人に提供すると約束した。式典の中でフォックス大統領は、過去5年間の間にメキシコ国内では3500件の臓器移植が行われたが、8000人の患者がいまだに順番待ちのリストに名を連ねていると指摘した。また、アエロメヒコとメヒカーナの航空二社に対し、提供された臓器の運搬を無償で行っていることに対して感謝の意を伝えた。(Proceso, 2002/10/08)

セディージョ前大統領、フォックス大統領を支持

サンアントニオのトリニティ大学での国際政治経済学会に参加したセディージョ前大統領は、記者のインタビューに答え、「ペメックス疑惑」などの最近の政治問題についての明快なコメントは差し控えたものの、フォックス現大統領の成功を祈ると述べるにとどめた。また、メキシコの情勢は「うまくいっている」としたものの、国家の構造改革を推し進めるための分析を急いで進めなくてはならないと呼びかけた。(Proceso,2002/10/04)

米国のイラク攻撃宣言に対し「重視しない」とフォックス大統領

米国のブッシュ大統領がイラクへの軍事攻撃も辞さないとの発言をしていることに対し、フォックス大統領は「メキシコはこれを重く受け止めるようなことはなく、メキシコは国連の中枢で行われる合意のみを重視する」と米国協力を否定した。(Notimex,2002/10/03)


2002.10.01号

INI改革についてのアンケート調査結果公表

大統領府先住民担当事務所のソチトゥル・ガルベス氏、および国立先住民庁INIのウベルト・アルダス氏は、INIの代わりとなる組織をどうするかという問題を問うために先住民グループを対象に行ったアンケート調査の結果を公表した。
記者会見の中で、このアンケート結果は10月1日火曜日に国会に提出され、「文化的多様性と複数民族からなる新しいメキシコ国家の構想」を練るための第一歩となるだろうと述べた。
しかしながら、このアンケート調査自体が法律にのっとったものではないため、政府や立法府に対して強制力がないことも認めた。
アンケートの大まかな結果としては、アンケートに対して集まった提案のうち89パーセントがINIは中央の統制によらない独立した機関となるべきであると答えている。 (2002/09/30 Notimex)

フォックス大統領、ペメックスのストライキ回避に成功

深刻な結果をもたらしたであろう国営石油公社(ペメックス)のストライキを回避したことで、フォックス大統領は重要な政治的勝利を収めたと言える。ペメックス労働者のための新しい契約に関する交渉のなかで、フォックス大統領は努力と政治的策略、連帯することによって勝利する能力を発揮し、しばしば反対勢力に批判されてきたように、こうした能力に欠けているという評判を覆した。フォックス大統領は就任以来、分裂した内閣と敵対心の強い議会に悩まされ、改革のためのイニシアティブはことごとく議会に阻まれてきたため、人々はフォックス大統領に失望し始めていた。ペメックスがPRIの選挙資金を不正拠出していたとされる問題で、労働者が労働組合指導者を支持してストライキを起こすのを避けるために、フォックス大統領はジーンズをはいて指導者たちに会いに行き、また労働者たちと対話するために工場まで出かけた。(2002/09/30 AP)