■ 政治ニュース ■

2002.12.24号

厳しい一年だった、とフォックス大統領がコメント

12月19日、大統領官邸でクリスマス行事であるポサーダを行った際に、フォックス大統領は20日金曜日にミチョアカン州を公式訪問するのを今年最後の仕事とし、その後はグアナファトの農場に移動して1月6日まで過ごすとの予定を発表、そのときに今年は非常に厳しい年だったと認め、メキシコの全国民に対し2002年を通じて続けてきた努力をねぎらった。パーティには公立学校の生徒たちや孤児院の子どもたち、障害をもつ人、ガンを患っている人びとなどが招待され、ピニャータ割りなどが行われた。(CNI en Linea , Notimex , 2002/12/20)

メキシコシティの治安問題はロペス=オブラドール・メキシコ市長の責任-フォックス大統領発言

フォックス大統領は、メキシコシティが悩まされている治安問題からは手を引くような発言を、ある女性の訴えに答える際に行った。「あなたのメッセージはロペス・オブラドール氏に言うべきだ、なぜならそれは私たちの担当する仕事ではないし、彼の担当だからだ。」と不快そうに述べた。この件はアスカポツァルコにあるリコンサ(乳製品供給公社)の敷地内で、牛乳1リットルあたりの価格が3.5ペソのまま維持されるだろうと発表されたときに起きた。メキシコシティの治安問題についての質問をスキップし、公共投資に力を入れてきた教育問題について話すほうを望んだ。(2002/12/19 Proceso)

チャベス・ベネズエラ大統領がフォックス大統領に援助を求める

ベネズエラのチャベス大統領は数日前、メキシコのフォックス大統領に対し電話し、備蓄してある石油を輸出する手助けをして欲しいと協力を求めた。12月19日に両政府が明らかにした。情報筋によると、チャベス大統領は国内で深刻な政治危機とストライキによる産油停止に追い込まれており、フォックス大統領に数隻の石油タンカーを都合して欲しいと頼んだ模様。しかしフォックス大統領側は、メキシコには今のところそのような余裕がないとして断った。またタンカーを準備できたとしても、国際原油価格にまで影響を及ぼしているベネズエラ国内のストライキ問題に直接関わりを持つことは非常に危険だと述べた。(CNI en Linea 2002/12/20)


2002.12.17号

北米自由貿易協定は全ての人にとってではないにしても利益をもたらしている、とフォックス大統領

北米自由貿易協定は締結後10年を迎えようとしているが、フォックス大統領は、この協定でメキシコ経済には3750億ドルがもたらされたため、その成果は「非常に競争力が強い」との評価を維持している。一方で、この恩恵を受けたのは全ての人ではない、ということも認めた。国際金融機関連盟の代表者との朝食会でフォックス大統領は、いまはこうした経済的利益を貧困やマージナリティ対策、人的資源開発、教育レベルの向上などを通じて個人や各家庭の具体的な収入となって表れるようにする必要があると認めた。(Proceso 2002/12/10)

危機に陥ったラ米諸国への連帯を表明

フォックス大統領は、ベネズエラやアルゼンチン、コロンビア、ブラジルといった国々が抱える危機に対する連帯を表明し、国際的枠組みや多国間組織の中で協力していく意向を示した。また、こんにちメキシコがラ米地域の経済の中で際だったパフォーマンスを示していることを指摘し、エマージング市場としての地位を確立するために、今後10年間で北米自由貿易協定に改めて焦点を当てていくほか、国内的には金融システムを固めていく必要があるとした。国際金融機関連盟の代表者との朝食会で述べた。(AP 2002/12/10)

ブラジル新大統領がメキシコ訪問-新しい二国間関係を結ぶことで合意

フォックス大統領はブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ新大統領をメキシコに迎え、会談を行った。二国が高水準の関係に達していることで意見が一致し、二国間関係の新しい段階に取り組んでいくことで合意した。(Notimex 2002/12/11)

フォックス大統領がメキシコ系移民を「英雄」と評価

土曜日のレギュラー番組「Fox Contigo」に出演したフォックス大統領は、米国で生活し働いているメキシコ系移民たちは、今年の第3四半期までにそれぞれの家族に原油の輸出価格の76パーセントに相当する額である73億ドルもの送金をした、と発表した。大統領はこうしたメキシコ系移民たちはその経済的重要性からいって「英雄」であると評価し、政府として尊敬の意と無制限の支援を約束した。(CNI en Linea 2002/12/14)


2002.12.10号

絶対大統領制はメキシコでは終結した、とサアグン・大統領夫人

バモス・メヒコ基金の理事長を務めるマルタ・サアグン・フォックス大統領夫人は、メキシコでは市民社会が勝利して絶対大統領制は終結し、「ものごとの流れが以前のようではないことが実感できる」と語った。現政権になってから2年の間に、「権威主義によって嘘にまみれた統治や、犯罪者を野放しにする統治はもう行われておらず、共同責任という正しい道を進み始めている」ので、国民に対しては将来を信じるよう求め、「今はこれまでにないぐらい未来を信じられる時代になったのだから」と述べた。2002年全国産業会議に参加して述べた。(Notimex 2002/12/4)

フォックスは先住民への「責務を果たしていない」とメアリー・ロビンソン元人権委員

国連の元高等人権委員メアリー・ロビンソン氏は、フォックス大統領はすばらしい能力があるにもかかわらず、先住民との間に約束したことを実行に移しておらず、「先住民はいまもメキシコで差別されている」と述べた。ロビンソン氏は人権委員退任後、「普通の市民として」人権擁護活動家となったが、フォックスはこの面では責務を果たしていない、と批判した。グローバリゼーション委員会の第二回年次会合に参加するためにメキシコを訪れた際に語った。(Proceso 2002/12/5)

貧困状態にある子どもたちの支援プログラムを発表

国連の常任理事会で現政権がメキシコの青少年の貧困撲滅を約束してから1年半経って、フォックス大統領は国内の2500万人の貧困に直面する子どもたちを支援する行動プログラムを発表した。パルド社会開発副長官が公表した。プログラムの名称は「青少年のためのメキシコ」とされ、行動期間を2002年から2010年と定めており、社会戦略「Congito(君と共に)」を通じて国のさまざまな省庁の作業をとりまとめていく。パルド長官やメキシコの貧困計測によれば、18歳以下の人口4000万人のうち、25パーセントが家庭的な貧困、つまり教育や健康や住環境や衣類の必要を満たすのに十分な収入が家庭にない状態に苦しんでいる。この人数は青少年だけを計算した数値であるにもかかわらず、フォックス大統領がヨーロッパ諸国歴訪で述べたメキシコには1900万の貧困層しかいないという数値とはかけ離れている。プログラムは5つの部分に分けられ、それぞれ健康状態の平等、健康な生活促進、質の高い教育、特に困難な状況にある子どもたちの保護、総合的な保護、という面での目標を設定している。(2002/12/6 Proceso)

2003年は国内市場強化に努める、とフォックス大統領

サカテカスで行われていた経済開発大臣連盟の通常会合の閉幕にさいし、フォックス大統領は自らの政権は今後「零細産業発展を推進する段階から協力体制に移行するために、対外政策から対内政策に、大きなものから小さな分野にシフトしていく。」と述べた。また軒並み不況に陥っている外国の経済状態を逆手にとって、国内市場を強化するとした。(Proceso 2002/12/9)


2002.12.03号

第19回米墨二国間委員会会合開始-ブッシュ大統領が移民問題解決を忍耐強く待つよう要請

2001年9月11日の米国同時多発テロ事件以降停滞している米墨間の移民問題解決について、ブッシュ大統領はメキシコ国民に対し、懸案事項が解決するまで忍耐強く待って欲しいと訴えた。
第19回米墨二国間委員会会合の開始セッションのなかで、ホワイトハウス内で録画されたビデオメッセージを通じて、ブッシュ大統領は米国が「メキシコとは世界のどの国よりも重要な関係を結んでいる」と強調した。また二国間関係は進歩していると付け足し、その証拠に、国境や教育・住居・経済発展・児童労働撲滅などの問題で協力の合意ができており、両国の役人が作業を進めていると述べた。
さらに、移民政策では米国政府はメキシコの男性・女性・子どもに丁重に接するべきであると認めつつ、「メキシコからの移民は米国に多大な貢献をしており、文化を豊かにし、経済を強化し、仕事・信念・家族愛といった米国の根元的な価値観を共有している」と認めた。(Proceso 2002/11/26)

国連-先住民の権利を認める事に対する反発

米国・イタリア・カナダ・デンマーク・ニュージーランド・オーストラリアが抵抗を示しているため、「先住民の権利に関する国連宣言」の承認計画が進められないでいる、と国連の先住民問題に関する作業グループの長を務めるミゲル・アルフォンソ・マルティネスが述べた。ウニベルサル紙のインタビューに答えた。国連ではこの問題について8年前から停滞しており、これらの国が責任有る行動をとることが求められている。(Proceso 2002/12/2)

歴史家エンリケ・クラウセ氏がフォックス大統領を批判「映画俳優気取りをやめるべきだ」

歴史家のエンリケ・クラウセ氏はフォックス大統領の指導力のなさを批判し、「映画俳優のまねごとをやめて尊厳有る行政の代表者となるべきだ」と要請した。メリダで行われたメキシコの産業会議のなかで、クラウセ氏はフォックス大統領の就任でメキシコが経験してきた政治的変化にも係わらず、公共権力の一番上から下までいまだに汚職まみれだと指摘した。「いつまでも人気だけに頼っている訳にはいかないので、そろそろ選挙ボスとしての役回りを終えるべきときだ」と付け足した。(Proceso 2002/11/28)