■ 政治ニュース ■

2003.02.25号

イラク問題−米国がメキシコに求めるのは協力ではなく責任だ、と大使

米国はイラク問題をめぐってメキシコに「協力して欲しい」と求めているのではなく、メキシコが国際社会に対して国益と責任感に基づいた行動をとることを希望している、とアンソニー・ガルサ在メキシコ大使が述べた。プエブラ・アメリカス大学での講演会に出席した大使は、イラク問題に対するメキシコの姿勢は国連安保理の非常任理事国であるという立場から言って「大規模でしかも長期にわたる影響をもつことになるだろう」と述べた。「われわれはメキシコに対し、米国側についてくれと頼んでいるわけではない。メキシコには、独自の国益と国際社会に対する責任に基づいて行動して欲しい」と述べた。(2003/2/21 EFE)

2000年に全国人権委員会は1206人の先住民の釈放を実現

2000年、全国人権委員会は、メキシコ国内で犯罪を犯したとして収監されている7785名の先住民のうち、1206名の解放を実現した。人権委員会の年次報告書によると、州別で最も多くの先住民が収監されているのはオアハカ州で1808名、続いてチアパス州が896名、プエブラ746名、チワワ388名、ナヤリット州258名、ゲレーロ州345名、イダルゴ州253名となっている。被告の大半はサポテカ、ナワトル、ツォツィル、ミステカ、コラ、タラウマラ、テペワナ、オトミの部族の人々。(2003/2/22 Notimex)

アスナール・スペイン首相がメキシコをスピード訪問−イラク問題でフォックス大統領と会談

ホセマリア・アスナール・スペイン首相は2月21日金曜日、メキシコ到着直後にフォックス大統領と会談した後、そのまま米国へと向かった。フォックス大統領とはイラク問題について会談したが、フォックス大統領は戦争反対の立場を固持した。メキシコとスペインはともに現在、国連安全保障理事会の非常任理事国であり、どちらも対イラク戦争反対の立場を表明している。メキシコに数時間滞在した後米国に向かったアスナール首相は、ブッシュ大統領と同じ問題について会談する。(2002/1/21 AP)


2003.02.18号

フォックス大統領「死刑制度は無意味」

メキシコ州を週末に訪れたフォックス大統領は、シウダー・サテリテでのミサに出席したあと、死刑制度について発言した。今週末に制度的革命党とメキシコ環境緑の党の連合が開くことになっている会議で死刑制度を取り入れるかどうかの議論が行われることに言及して記者会見で答えたもので、死刑は「意味のない行為であり解決をもたらさない」として批判した。また「(犯罪撲滅において)必要とされているのは死刑制度ではなく警察の効率化だ」とも述べた。(CNI en Linea, 2003/2/16)

「麻薬小売業」に対抗するための法案を主導することをフォックス大統領が宣言

メキシコの連邦政府は来月3月に国会に対し、各州や地方都市に対し「麻薬小売業」の実態を調査する権限を与えるような法案を提出する。フォックス大統領の土曜のラジオ番組“Fox Contigoモで明らかにした。「(犯罪撲滅キャンペーンの)成果が目立ち始めている。2001年には犯罪件数の成長がストップしたばかりでなく、2002年には通常犯罪は2パーセント減少までした。連邦犯罪は4パーセントの減少だった。」とラジオ番組で述べた。時期の通常国会で取り上げるべき論点は「麻薬小売業」などの犯罪であるとした。また国民に対しては検察を信用するよう呼びかけた。(Notimex, 2003/2/15)

メキシコの全国商業会議所連合(CONCANACO)はイラク攻撃賛成論を支持

フォックス大統領は「戦争反対、多国間主義賛成」を標榜しているにもかかわらず、メキシコの全国商業会議所連合(CONCANACO)は、メキシコが歴史的にとってきた平和主義路線を損なうことにはならないので、米国のイラク攻撃賛成論をメキシコは支持すべきである、と考えている。CONCANACOの加盟者らは声明を通じて、政府に対し、ひとつにまとまった米州連合として協力すべきであると主張している。CONCANACOのビルチス会長は「ナショナリストであるということは隣国に反対するということとイコールではない」と述べている。(Proceso, 2003/2/13)

COCOPAの立法委員会がEZLNに対し農業問題に関する話し合いに参加するよう呼びかけ

和解と和平のための委員会Cocopaの立法委員会はサパティスタ民族解放軍(EZLN)に対し、連邦政府と農民組織の間で行われている交渉に参加するようよびかけた。エスカンドンCocopa委員長は、農村問題はチアパス州における武力闘争の重要な「構成要素」であるため、EZLNもこの対話のプロセスに参加するべきであるとの考えを示している。(EFE, 2003/2/14)


2003.02.11号

農業問題についての国民的合意のための対話は3月15日まで

内務次官のウエルタ氏は、連邦政府と複数の農民組織は「農業問題についての国民的合意」に実質的に調印するための対話の最終期限を3月15日に設定した、と発表した。合意内容のもつ重要性と次の選挙日程を考慮した。次の選挙戦で、政治家が当選目的のために対話の内容を左右しようとするのを回避する目的でこのような日付を設定した、と述べた。(Proceso, 2003/2/6)

フォックス大統領、「メキシコ空軍の日」記念式典を主催

フォックス大統領は2月10日月曜日、メキシコ州のサンタルシア空軍基地での朝食会に出席し、「メキシコ空軍の日」を祝う。その後は世界生命基金(WLF)の構成員と会談し、その内容については環境大臣のビクトル・リヒティンゲルが詳細を記者会見で伝えることになっている。火曜日にはケレタロ州への公式訪問を行い、水曜には大統領官邸でメキシコ科学アカデミー賞の授賞式の開会を取り仕切る。木曜はプエブラ州クエツァランへ赴き、零細地域関連の行事を指揮する。(Notimex 2003/2/9)

フォックス大統領、戦争回避のための外交活動を強化

フォックス大統領は対イラク戦争を回避するための外交活動を強化した、と発表した。相手は明らかにしなかったが、複数の国の元首に電話をかけ、イラク危機を平和的に解決するよう呼びかけを行ったと説明した。(EFE, CNI en Linea, 2003/2/7)

当局がチアパス州での新生児の死亡原因を調査する専門家委員会を設置

メキシコ保健省および全国人権委員会は、2月9日、チアパス州の公立病院で死亡した34人の新生児の死因について、専門家委員会を設置して調査を継続すると発表した。同委員会は、コミタン病院で12月から1月の間に死亡した34名の新生児の死因を医療面から分析し特定することを目的として掲げている。死亡した新生児の家族の訴えによれば、子供たちは医療処置を受けられなかったために死亡したとされているが、保健省やパンアメリカ保健機構によると、子供たちの死因はインフラ不足および人材不足によるものであるとされている。(EFE 2003/2/9)


2003.02.04号

メキシコシティで農民による大規模デモ

1月31日、革命記念塔周辺に結集した農民のデモ隊に加え、その他二つの市民デモのためにアパトラコ・リオ=チュルブスコ・マリーナ=ナシオナル・アキレス=セルダンなどの通りの交通が遮断された。農民によるデモに参加したのはチアパス・コアウィラ・サカテカス・ミチョアカン・オアハカ出身の農民で、カルデニスタ農民本部、独立農民本部の構成員。結集が続いたため、フラグア通りは閉鎖された。独立記念塔(アンヘル像)にも農民を乗せたバスが次々に到着したが、交通が妨げられることはなかった。2時からはここを起点に2000人の農民がソカロに向けてデモ行進を開始し、ソカロには5万人の農民が集まると予想される。同じ日、マリーナ=ナシオナル通りのペメックス本社前には、同社による大気汚染に抗議するオアハカとプエブラの運動家が集まり抗議活動を行った。(CNI en Linea 2003/1/31)

フォックス大統領、農業保護を提案

ミュンヘン滞在中のフォックス大統領は記者会見で、メキシコの農業生産者の味方であり続けることを確認し、農業部門における補助金を先進国が排紙するよう提案を推し進めて行くつもりだと宣言した。北米自由貿易協定の農業関連条項に抗議するメキシコシティでの農民デモが行われることを受けて、フォックス政権が新しい農水産業プロジェクトを推進するつもりであること、予算の拡充を図っていくこと、また農民保護のために法整備も行っていくことを約束した。(CNI en Linea 2003/1/31)

フォックス大統領がドイツで侮辱を受けた、とメキシコの主要政党が抗議

メベルリンのフンボルト大学を訪れた際、20名ほどの学生に「人殺し」「われわれはサパティスタだ」とフォックス大統領が罵声を浴びたことに対し、メキシコの主要政党は揃って「受け入れがたい事だ」と抗議の意を表明した。(EFE 2003/2/1)